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これから始まる中国黄金の10年

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1.中国は世界経済発展の中心

中国経済はここ数十年の間、目覚ましい成長を遂げています。まず、図表1をご覧ください。このグラフはBRICs、世界全体に関する1990年から2009年までの実質経済成長率、2010年から2015年までのIMFによる予想値を示したものです。中国の成長率はこの間、1990年にインド、2000年にロシアに抜かれたことがありました。しかし、それ以外のすべての年でBRICs、世界全体の成長率を超えています。さらに、IMFの予想によれば、2010年から2015年にかけても、中国の成長率がもっとも高くなっています。

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 2010年4~6月期、中国の名目GDPは遂に日本を追い抜き、中国は世界第二位の経済大国となりました。図表2は1990年から2009年までの日本、中国の名目GDP(ドルベース)の推移と、2010年から2020年までの予想を示したグラフです。2010年から2015年までの予想はIMFによるものです。2015年から2020年にかけては、日本は年平均3%で成長すると仮定、中国は年平均10%で成長すると仮定して計算したものです。

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今でこそ、中国は今年世界第二位になるだろう経済大国ですが、1990年当時、中国の経済規模(名目GDP)は日本の僅か12.9%でしかありませんでした。図表1、図表2が示す通り、経済は高成長を続けたのですが、最初の内は絶対額が小さかったので、格差はゆっくりとしか縮まりませんでした。  中国の経済規模が日本のおよそ3分の1(正確には32.3%)になったのは、11年後の2001年です。しかし、4年後の2005年には、およそ半分(正確には49.1%)の規模まで格差は縮まりました。そして、更に5年後の2010年には日本を追い抜くことが確実となったのです。

図表3は2008年における経済規模の大きい国ベスト15を示した表です。ドルベースの名目GDP、世界経済に占めるシェア(占有率)についても示してあります。このグラフに示す通り、2008年の中国の世界経済シェアは7.3%に達しています。BRICs諸国の中では飛びぬけて経済規模が大きく、2番目に大きいロシアの2.6倍に達しています。経済規模のこれほど大きくなった国が高成長するならば、世界経済全体に与える影響は非常に大きくなります。

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図表4は、世界全体で一年間に変化した名目GDP(ドルベース)の内、アメリカと中国がどの程度を占めていたか、また2010年から2015年までのIMFの予想ではどうなるのかを示したグラフです。
経済規模ではまだトップではありませんが、世界経済における成長のシェアをみると、2006年から2007年を境に、アメリカからトップの座を奪ったと言っていいでしょう。ある程度大きな規模に成長した中国がこれからも高成長を続けるのです。これから中国は世界経済の発展の中核として、益々プレゼンスを高めていくことになるでしょう。

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2.中国経済は依然として成長期

中国はこれまで急成長を遂げてきました。しかし、それだけの理由で将来も急成長を続けるだろうと判断することはできません。まず、今後も高成長を遂げることのできる条件が揃っているかどうか調べてみましょう。
図表5は日本と中国の一人当たりGDPについて比較したものです。それぞれの国について、実際の為替レートによりドル換算されたデータ、購買力平価(PPP)による為替レートによりドル換算されたデータを表示しています。1990年から2009年までは実績、2010年から2015年まではIMFによる予想値です。ちなみに、購買力平価とは、同一の商品・サービスの各国別価格を比較して算定した通貨換算レートのことで、実際の豊かさや生活水準を表す為替レートです。

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  中国の一人当たりGDPは日本と比べ、非常に低い水準です。日本人も中国人も、同じ“人間”です。1人あたりの能力にそれほど大きな差はないはずです。もし、資本の蓄積が進み、技術レベルが日本と同程度となるならば、一人当たりの労働者が造り出す生産量はあまり変わらなくなるはずです。
 
工業化して日が浅い中国では、先進国と比べ、資本の蓄積が進んでおらず、技術レベルはそれほど高くはありません。ですから、一人当たりGDPは低い値となっているのです。しかし、今後も積極的な設備投資、技術導入が続き、研究開発の成果が上がってくれば、いずれ資本の蓄積、技術レベルは先進国に追いつくはずです。つまり、一人当たりGDPが先進国レベルになるまで成長は続く余地があるのです。

 IMFの予想によれば、2010年の中国の一人当たりGDPは3999ドル/人です。日本は42239ドル/人なので、中国は日本の9.5%に過ぎません。しかし、実際の生活水準からみて、円は過大評価されており、中国では逆に過小評価されています。購買力平価でみた2010年の中国の一人当たりGDP予想は7240ドル/人です。日本は33478ドル/人なので、中国は日本の21.6%の水準です。購買力平価で換算しても、日中間の差は非常に大きいようです。
 
ちなみに、IMFの予想によれば、2010年の中国の一人当たりGDPは調査対象である181カ国・地域の内、97位です。購買力平価で計算した値でみても、96位でしかありません。中国は発展の余地が非常に大きいと言えるでしょう。

3.モータリゼーションの進展で消費が急拡大

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一人当たりGDPに関してはもう一つ重要な話があります。それは他国での経験上、一人当たりGDPが3000ドルを超えたあたりから、モータリゼーションが急速に進むという法則です。
 自動車販売台数をみると、中国は2003年にはドイツを抜き第3位へ、2006年には日本を抜き第2位へ、そして2009年にはアメリカを抜いて世界第一位に躍り出ています。これは中国が正にモータリゼーション進展の真っただ中に入りつつあることを示しています。
 耐久消費財の中でも自動車は、高価な商品です。生産面からいえば裾野産業が多く、雇用吸収力が大きいことから、自動車産業は、経済へのインパクトの大きな産業です。
 自動車産業では今、革命的な出来事が起きようとしています。それは電気自動車の急速な普及です。中国政府はこれから、電気自動車の普及を強力に推進する方針です。それによって、需要は大きく拡大することになるでしょう。

 

4.フルセット型産業構造の構築で投資が拡大

中国は13億人を超える巨大な人口を抱えています。巨大な潜在需要を抱えているということです。あらゆる産業において発展する余地があるのです。これが小国であれば、とても一国の中にすべての産業を発展させることはできません。なぜなら、ほとんどの産業では「規模の経済」が働くからです。

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たとえば、少量の鉄を造るのと、大量の鉄を造るのでは、明らかに大量の鉄を造る方が、コストは安くなります。国際競争力のある産業が育つためには大きな市場が必要なのです。その点、巨大市場を有する中国では、たくさんの産業を発展させることができるのです。中国の潜在成長力の大きさは、フルセット型の産業構造を構築できるといった点にあるのです。

 

5.どのように経済は発展するのか

 中国経済は今後も発展すると国際機関が予想していること、中国にはまだ発展の余地がありそうだということはおわかりいただけたかと思いますが、それでは今後中国はどのような形で経済発展を遂げるのでしょうか。
 その答えははっきりしています。中国政府は現在、これまでの輸出主導型から内需主導型へと経済構造を転換させようとしています。それによって大きな投資需要を生み出し、消費を大きく拡大させようとしているのです。
 その中心となる政策は以下の3つです。

(1)地域開発の強化

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これまでも中国政府は、輸出拠点として沿岸地域を大きく発展させたり、上海市を金融都市として、あるいはシンセン市を香港との貿易の窓口、改革開放の拠点として、発展させたりしてきました。改革開放路線に加え、沿岸地域での開発が、中国に高成長をもたらしたといっても過言ではありません。これが輸出主導型経済を作り上げる原動力となったのです。
 しかし、2003年以降、米中間では貿易不均衡が発生し、それが拡大、アメリカは中国に対して厳しく人民元の切り上げ、貿易不均衡の是正を迫るようになりました。更に2008年に発生した金融危機によって、それまでのようにアメリカ、EUなど先進国に向けて輸出を拡大するといった方法で経済を成長させることができなくなりました。そこで金融危機以降、中国政府は経済の発展方式を大きく転換させ、内需主導型経済の確立を目指し、各地域で全面的な発展戦略を展開し始めたのです。
 沿岸地域においても、たとえば福建省では対岸にある台湾との交流を深めるための地域戦略を展開しています。海南島では地域特性を生かし、リゾートアイランド化構想が打ち出されています。また、上海では国際金融都市、国内の物流拠点として発展させる計画が進行中です。
 これまで経済発展の条件が揃わず、開発計画の成果が表れにくかった地域でも、更に開発の深度を深めています。たとえば「中西部大開発」では、沿岸地域の企業を内陸部に誘致するだけではなく、資源開発に一層力を入れています。特に、新疆、内モンゴル、四川省など資源の豊富な地域ではそうした傾向が強く表れています。東北地方では古くから重工業が栄えていましたが、そうした産業基盤を生かした発展を模索しています。中国のほぼ全地域でこうした地域に合った開発計画が立ち上がっているのです。

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地域開発により、都市化を加速することは、中国政府が最も頭を痛めている三農問題の解決にも繋がります。農村部での余剰人口が都市化によって吸収され、農業の産業化、大規模化、近代化が進めやすくなるのです。
 一方で、こうした地域開発を支えるための条件となるインフラ投資がしっかりと進んでいます。高速道路は1990年代半ばから、空港の整備など空港ネットワークの整備は1990年代後半から、鉄道網の拡充と高速化は2000年代後半から、それぞれ重点的に建設が進められました。鉄道網建設については、地下鉄を含め、これからも高水準の投資が行われることになるでしょう。こうした道路交通網の整備が進んできたことで、都市化を加速させるための条件が整いつつあるのです。
大開発を進めるには資金が要ります。それを支えるのが銀行です。主要銀行はほとんどが国際上場を果たし、巨額の資金を調達するとともに、上場の際に主幹事証券である欧米系金融機関を通じ先進的な経営ノウハウを吸収しています。また、外国企業の中国直接投資意欲は、高成長期待に加え、人民元上昇期待が根強いことで、依然として旺盛です。資本市場については、香港市場に加え、本土市場も充実してきました。今年7月中旬に本土、香港に同時上場した中国農業銀行のIPO規模が世界最大となったことからもわかるように、世界で最も資金調達が盛んな市場が正にこの両市場なのです。
 そのほか、都市化を支えるための、建設産業、鉄、非鉄、セメントなどの素材産業、トラック、建設機械などの資本財を作り出す産業なども、着実に育っています。地域開発を積極的に進める上で、何か特定の財が不足するといったボトルネック現象は起きにくいだろうと思います。

(2)産業発展の推進

都市化を進める上で、唯一心配なのは資源不足です。中でも石油の消費量拡大は世界的にも価格上昇を招きかねないほど、影響が大きいでしょう。
政府はこうした問題に対処するために、省エネ環境、新エネルギー、新エネルギー自動車といった、石油を中心に資源消費を抑えるための政策を強力に推進しようとしています。

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中国では火力発電は石油ではなく、石炭を使用するところがほとんどです。石油消費に占めるガソリンのウエイトは大きく、もし電気自動車の普及が進めば中国の石油消費量は大きく抑えることができるでしょう。電力についても、原子力、風力、太陽エネルギーによる発電所の建設を急いでいます。これらは2011年から始まる第12次五カ年計画で重要な投資案件の一部として盛り込まれることになるでしょう。こうして政府が強力に産業振興をリードすることで、資源問題についても十分克服可能であると予想します。
 政府はその他にも、次世代情報技術、バイオテクノロジー、新素材、衛星通信などといった新産業政策を進める方針です。国家主導で資金供給も含め、バックアップするのです。今後5~10年の間に、中国はこうした新産業分野で世界のトップレベルに達する可能性があるでしょう。
 政府が支援するのは新産業だけではありません。金融危機に対処するため、国務院は2009年、重要産業に対する調整振興策を打ち出しました。対象産業は自動車、鉄鋼、電子情報、物流、紡織、設備機械、非鉄金属、軽工業、石油化学、船舶の10産業です。2009年は医薬衛生体制改革が開始されました。きっかけは金融危機への対応ですが、いずれも内需主導型経済に転換するために長期的に必要な政策でもあります。国家が重要産業については全体をコントロールするといったやり方で産業構造はスピーディーに変わっていくでしょう。

(3)所得増加

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 内需主導型経済に転換するためには投資に加え、消費を高成長させる必要があります。この点についても、金融危機への対応として2009年、家電下郷、以旧換新、汽車下郷といった補助金による消費活性化策が打ち出され、消費は大いに活気づきました。これらはどちらかと言えば、短期的な景気刺激策といえましょう。2010年に入ると、政府は法定最低賃金の引き上げを指示、各地方で次々と引き上げが実施されました。中国の企業は先進国と比べ、人件費率(人件費/売上高)、労働分配率(人件費/粗利益)が低く、そのことが企業の競争力を強くしていると言われてきました。しかし、政府は企業の競争力を少し落としてでも、労働者の所得を大幅に増やし、消費を拡大させる方針です。モータリゼーションが始まっていることは既に示しましたが、現在の所得水準は衣食住が足りて、消費が大きく加速する水準に達しています。そこで更に政府が後押して所得水準を増やすことで、消費は大きく拡大する可能性があります。

6.これから始まる黄金の十年

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 中国と世界とでは、経済の仕組みが異なります。中国では政府が国家戦略を策定し、重要投資プロジェクトを決定します。政府が主要銀行、主要産業をコントロールするのです。経済政策では、マクロコントロールと呼ばれる銀行、企業、消費者などに直接働き掛けるような方法が頻繁に採られます。もちろん、随所に市場経済は根付いています。政府が決めた枠組み、コントロールの範囲内では、企業間競争は熾烈であり、多くの産業で過当競争が起こり、生産過剰、値下げ競争が常態化するほど企業活動は活発です。これが中国の社会主義市場経済の実態です。

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アメリカ型の金融資本主義は完全に崩壊したとみてよいでしょう。現在のオバマ政権の政策をみる限り、政府の市場、経済への関与は、これまでの政権と比べ大きく増えてきています。これから先、世界で最も成功する経済体制とはいったどういったものなのでしょうか。
 中国は大きな経済力を持つだけではなく、軍事的にどの国からも独立しています。また、外交力は世界でトップクラスです。これからの10年、中国は国際間の摩擦をうまく乗り越え、発展していけるだけの力を持っています。柔軟性、機動性をもっています。これからの10年こそ、中国がもっとも輝く時代なのです。

7.運用にあたって

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 中国では政府が国家戦略を策定し、重要投資プロジェクトを決定します。政府が主要銀行、主要産業をコントロールし、経済政策では、マクロコントロール呼ばれる銀行、企業、消費者などに直接働き掛けるような方法が頻繁に採られます。こうした中国経済の体制を考えると、まず、マクロ経済、経済政策、金融政策、産業政策などのフォローと分析が欠かせません。
 また、主な投資対象銘柄が上場する香港株式市場は、ファンダメンタルズだけではなく、欧米投資家のリスク許容度の変化、中国政府の政策への期待、人民元為替の動向、その他の需給要因など、いろいろな要因から影響を受けます。常時、市場の動きをチェックしておく必要があります。
 こうした調査を日常的に行う中で、有望なセクター、有望な銘柄を選択します。これらのセクター、銘柄候補の中から、ファンダメンタルズに基づいた個別企業分析を行い、更に候補企業を絞り込みます。
 絞り込まれた銘柄の中から、必要に応じて、企業訪問を行います。決算報告書に書かれていない直近の営業状況、将来の投資計画、利益計画、営業計画などのヒアリングを行い、それをもとに、ファンダメンタルズ分析を行い、株価のバリュエーションを算出し、最終的に投資判断を行います。


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