米利上げ観測に左右されるドルインデックスの強弱だが、年内2回の利上げがあってもドル全体を押し上げていくには力不足だ。何しろ、昨年年末の時点、今年4回の利上げが想定されていただけに、4回以下の利上げ回数が物足りない感が強いからだ。

その上、何よりもFRB幹部らの言論、信用できない側面が大きいからだ。近年では、彼らは言い放題の傾向にあり、またお互い矛盾した見方を披露しているから、マーケットの混乱をもたらしたり、中銀の信頼性を損なうといった懸念を引き起こしたりして市場関係者の顰蹙を買った経緯もしばしばあった。マーケットは時々彼らの言論に振りまわれるが、結局のところ、中銀自体のスタンスに寄る値動きになりやすい。

3月FOMC声明文を見る限り、FRBは「経済指標次第」よりも「市場次第」のスタンスに転換しており、現在市場が落ち着いているとはいえ、これから波乱してこないという保証はどこにもない。従って、「市場次第」なら、結局相場のことは相場に聞くしかない。

ダウ指数を見る限り、確かに1月安値から大きく反騰して、再度17515ドルの高値を打診しているから、目先の相場に安心感がある。しかし、よくよく見ると、昨年11月高値17977を超えない限り、ダウ指数の反騰、あくまでリバウンドの位置付けで、寧ろリバウンドの限界に近いことが分かる。落ち着く相場はあくまで目先の現象で、いつ波乱して来てもおかしくない、といった感触が得られる。

もっとも、去年から相場の急変、二つ市場の状況と緊密な関係があった。ひとつは原油市場で、もう一つは中国株市場だ。両市場のリバウンドが共に確認されているから、世界金融市場の落ち着きに繋がっているから、両市場に変化のサインがあれば、世界金融市場の基調も再び変わってくるでしょう。

ブレンド原油にしても、WEI原油にしても、深刻なオーバーシュート(売られすぎ)の状況だったので、2月安値から大きくリバウンドしてきた。しかし、200日線に近付きにつき、すでに頭打ちになったか、これから頭うちの公算が高まり、切返しが失速する公算が高まる。原油の安値再打診があれば、リスクオフの気運を高める要素として市場に意識されると、世界金融市場は再び揺れやすいかと思う。

もうひとつパラメーターとなる上海綜合指数、1月安値から反騰してきたものの、昨年6月高値から引かれてきたメイン抵抗ラインに拒まれる兆しをみせ、リバウンドがいつ終わってもおかしくない状況だ。中国株・人民元問題が根深いだけに、近々ブル基調に転じる余地は皆無といえる。

要するに、原油と上海株を見る限り、目先のリバウンド、すでに一服したか、これからそろそろ頭打ちとなろう。世界金融市場の安定も両市場と深い関連性をもつから、両市場の変調があれば、足許の落ち着きも忽ち消させるはずだ。FRBが重視する市場の安定、そう長く維持できないものであれば、FRBの利上げも遠い、といった観測が再び高まるでしょう。

こうなれば、ドルのブル基調回復、そう簡単にいかないでしょう。外貨サイドでは、EU離脱問題で売られるポンドさえ、2月安値を更新していないから、目下ドル全体の切り返し、過大評価すべきではなかろう。

同じように、目下ドル/円が113円台を回復しているものの、あくまでベアトレンドにおけるスピード調整と見做し、再度頭打ちを果たしてからベアトレンド復帰しよう。メインターゲットの105/106円台打診、もはや時間の問題だと見る。市況は如何に。