こんばんは、小池麻千子です。

今日は米国雇用統計について触れてみたいと思います。

個人消費がGDPの7割を占める米国経済にとって、
雇用環境の改善は、日本市場で言えば為替と
同じくらい株式市場にインパクトを与えるものです。

1月に引き続き平均時給の伸びを指摘する声もあるようですが、
これは、労働参加率が上昇する中で低所得者も巻き込みながら
労働市場が拡大しているからと考えられますので、
景気後退懸念は考えにくいと思います。

また自発的離職率が上昇していることから
将来的に賃金は上昇していくと予想できます。

さらに賃金上昇率はインフレ率を上回っており、
実質賃金は上がっているため、消費の増加が見込まれます。

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先週発表された2月の米雇用統計では、

非農業部門雇用者数(NFP)は
前月比+23.5万人と市場予想(+20.0万人)を上回り、
過去2ヶ月分は0.9万人分が上方修正されました。

結果、3ヶ月平均は+20.9万人、6ヶ月平均は+19.4万人となりました。

失業率は0.08%pt低下の4.70%と市場予想と一致。
好景気時である2007年の水準まで改善しています。

さらによく見ると労働参加率が 62.86%から62.95%に
上昇したことで、雇用が改善したことがわかります。

★そして最も注目される平均時給については
前年比では市場予想と一致する+2.8%、
前月比では+0.2%と市場予想の+0.3%を0.1pt下回りました。

1月の雇用統計では前年比で0.4ptの伸び率鈍化だった
ことを思うと回復したと捉えてよいかと思います。

ちなみに、1月の鈍化は低所得者層である黒人や
U-6層の労働参加率が上昇していましたので、
全体が押し下げられたと考えられます。

<1月の雇用統計では、白人の労働参加率が62.8%と
前月比0.2pt低下した一方で、
黒人の労働参加率は前月比0.6pt上昇し、62.4%に。
失業率も7.8%から7.7%に低下。

白人の労働人口は1億2467万5千人で前年比0.05%増と
殆ど変化がありませんでしたが、その一方で
黒人は1999万3千人と前月から0.8%増加するなど、
黒人の雇用が拡大しています。

長期で見ても、黒人の失業率は2009/9月15.7%、
11/11月14.9%、12/11月12.7%、15/9月9.5%、
そして17/1月には7.7%、2月は8.8%と半分程度にまで改善しています。

さらに、U-6と呼ばれる経済を理由に本意ではないが
パートに就いている人数が前月比4.3%増加したことも
反映されたと考えられます。>

★また、ここでイエレン議長が重視している指標の一つに
「自発的離職率」があります。

一般的に人は「より高い給与を求めて」転職すると
想定されるので、自発的離職が増えれば
将来の賃金が上がると考えられます。

これは平均時給に先行する指標として見られています。

JOLT統計による9月の自発的離職率は2.0%、
12月は2.04%とリーマンショック前の高水準にV字回復しています。

過去を振り返ると、2008年11月から2010年の間には
自発的離職者約300万から約150万人まで減り、
解雇・退職は200万弱から250万強まで増加しました。

ところが2010年10月を境に自発的離職者は増加に転じ、
解雇・退職者数は150万超えでの推移が続いています。

この間何が起こったかと言いますと、2008年のリーマンショック、
そしてその後の金融政策による経済の持ち直しです。

サブプライムローンに起因する2008年のリーマンショックを
受けたアメリカはいち早く手を打ちました。

当時のベン・バーナンキFRB議長はドルを刷りまくって、
国債を買いまくり市中にドルを溢れさせました。
(量的金融緩和)。

しかもバーナンキは国債の他にCP(コマーシャルペーパー)や
MBS(住宅ローンを証券化したもの)といったリスク資産まで
買うという質的な金融緩和も同時に行いました。

日本とは違ったこうした素早い流動性、つまりお金、
の供給が功を奏して米国経済は回復に向かったのです。

市中にお金を溢れさせてからは、解雇が減って、自発的離職が増えました。

高い賃金を求めているという地合いとなっているのです。

15日に発表予定のコアCPIを確認する必要がありますが、
1月の2.3%を参考にすると、実質賃金伸び率はプラス圏にあります。

つまり物価の上昇以上に賃金が増えているということです!

★名目上ではなくて実質的に給料が増えているわけですから、
人々はその分消費に回すことになるでしょう。

アメリカは個人消費がGDPの7割を占める世界最大の消費大国。
賃金が増えると貯金よりも投資や消費に使います。

15日には消費者物価指数のほか製造業景気指数や
小売売上高が発表されます。ここでよい数字が発表されれば
より金利の上昇は確定的となります。

ちなみに1月の米小売売上高は前月比+0.4%、
前年同月比では+5.6%、12月米小売売上高も
前月比+0.6%から1.0%に上方修正されており、
消費行動の強さが示されました。
平均時給が伸び続けていることから企業の経済活動も活発です。

このようなことから分かるように、米国は景気拡大を迎えています。

景気拡大の中で減税やインフラ投資という
景気が悪いときに講じられそうなことが
行われようとしているわけですから、
景気後退を心配する必要はないかと思います。

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