今週の外国為替市場は、米FOMCを睨んで、神経質な展開となるが、米FOMCの結果が、ドルの分水嶺となるか大きな注目となる。
《金融政策》
金融政策としては、15日に12月1日分の豪RBA議事録の発表、スウェーデン中銀政策金利発表、16日は、米FOMCの結果発表、 17日はノルウェー中銀、メキシコ中銀の政策金利発表、18日は日銀金融政策決定会合の結果が公表される。
豪RBA議事録では、金利の据え置きが続く中、次の利下げの可能性に市場の関心が残るのが、引き続き変化のない声明を踏襲するなら、豪ドルの買い戻し要因。スウェーデン中銀やノルウェー中銀では、ECBの追加緩和策を受けて、引き下げのリスクが残るが、それも打ち止め感となるならクローネやクローナの買い戻しに繋がる見通し。またメキシコ中銀は米FOMCの利上げに準じて利上げする可能性が高いことは留意しておきたい。
一方日銀金融政策決定会合では、据え置きが想定される。市場は期待感を持っていないが、一応据え置きでは一時的な失望の反応が出ることは注意。
注目のFOMCでは、利上げがほぼ確実視されているが、ポイントはその利上げ幅や継続的な利上げスタンスが示されるとなる。利上げペースに関しては、今後も「経済指標次第」とはぐらされる可能性が高く、その面では市場は反応しづらい。ただ、もし現在市場が想定している0.25%の利上げ幅が、イエレンFRB議長が示唆するとおり「ざん新的」となるなら、利上げ幅が0.25%より低いレベルとなる可能性もありそう。その場合一時的な失望のドル売りが出易い。ただ、その場合株価が好感して上昇する可能性があることで、現状拡大しているリスク・オフの動きも大きな巻き戻しとなる展開に期待したい。また、今回はFRBの経済見通しやFOMCメンバーのFF金利見通しが発表されるが、先行き米経済に悲観論が残ると引き締めペースが緩やかとなるとの思惑も出易く、FF金利見通しをにらんで、市場次の利上げ時期が、連続なのか、3ヶ月や6ヶ月咲き延ばされるのか判断する見通しとなるが、その場合市場の反応は微妙となりそうだ。
《経済指標及びイベント》
経済指標としては、日銀短観、米国では住宅関連指標や11月消費者物価指数、11月鉱工業生産や設備稼働率、ユーロ圏では12月ZEW景気期待指数、製造業・非製造業PMIや独ifo景況感指数、英国では11月雇用統計、NZでは第3四半期GDPなどが公表される。イベントとしては、EU首脳会議やスペイン議会選挙が開催されるが、相場はFOMCの結果で、ある程度決定づけられるなら、総じて影響は一過性の動きに限定されそうだ。