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今こそバーゲンハンティングの好機

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1.今こそバーゲンハンティングの好機

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世界金融危機の結果、ベトナムの株式市場も大きく下落しました。しかしながら、金融危機後もベトナム経済は力強い成長を遂げています。実際にベトナムに来てみると、金融危機以前と変わらず、物凄い台数のバイクが走り、夜中になると物資を運んでいるトレーラーが数多く走っていて、金融危機の影響を肌で感じることが出来ません。

有力な外国人投資家は虎視眈々とチャンスを狙っています。たとえば、2008年8月22日には、世界でも著名な新興国投資機関であるテンプルトン・アセット・マネジメントはベトナムのホーチミン市に駐在員事務所を開設しました。当時、テンプルトン・アセット・マネジメントの新興市場部門の総責任者であるマーク・モビアス博士は下記のようにコメントしています。

「テンプルトンの投資期間は通常は5年です。ブラジルではインフレ率が20%以上に達した時に誰も株式を購入する勇気がなかったんですが、我々は多くの株式を購入し、5年後には大きな利益を上げることができました。」

「ベトナム株式市場が上昇するのがいつになるかという質問に答えるのは簡単ではありません。しかし、ベトナム株式市場は2~3年後には大きく発展し、株価は現在より上昇している可能性が高いでしょう。株式市場の規模も、現在より大きくなっているでしょう。焦ってはいけません。」

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世界最大の長期投資家であるウォーレンバフェットが指摘する「皆が貪欲になっている時は心配性に、皆が心配性になっているときは貪欲に」という投資の原則がありますが、こういう相場低迷時にこそ大きなチャンスがあると思います。今なら好況時には考えられなかったような株の買い方も可能です。たとえば、OTC市場で、買えたらラッキーと思えるぐらいの、時価とはかけ離れたすごく低い指値をしておいて、資金繰りに困った人による投げ売りが出たら買うというバーゲンハンティングも今の時期なら可能です。

もちろん、企業自体が魅力がないものであれば、いくらバーゲンハンティングをしても意味がありません。

しかし、労働人口が増え続けている状態のベトナムでは、内需関連の企業にはこの金融危機下で好業績を上げている企業があります。たとえば、上場企業を見ても、景勝地で独占的に観光施設を運営している企業とか、流通企業で50%以上のシェアを占めている企業、消費財生産で圧倒的なシェアを占めている企業などは業績を着実に伸ばし続けています。また、インフラ開発をしている企業も、この不景気の時期こそ公共投資が増えますから好業績が期待できます。現在のベトナム株は、大きく売り込まれており、上場銘柄でもPER5倍以下、配当利回り10%以上という割安銘柄が珍しくありません。そのような中で、これらの堅調な業績拡大が予想できる銘柄の中にも、大きく売り込まれているものが数多くあります。

 

2. 不景気時の金融相場も期待できる

しかも、現在の株価水準であれば、1~2年の間に訪れる可能性がある短期上昇相場だけでも大きなチャンスがあります。

ベトナムは市場規模が小さいだけに一旦上昇が始まれば急ピッチの上昇が期待できます。具体的な例としては、2008年の7月~8月にかけて、暴落後のベトナム株が一時的に急騰した時期がありました。この時、08年6月20日に2万8000ドンの株価をつけたベトナムトップの証券会社であるサイゴン証券(SSI)は約3ヶ月後の9月8日にはザラ場高値で7万9000ドンまで上昇しました。3ヶ月で2.8倍になった計算です。

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では、今後そのような短期上昇が起こるでしょうか? もちろん、将来のことは誰にもわかりません。しかし、その1つのキッカケとなる可能性があると予想されるのが、不況時の金融相場です。

2008年のベトナムでは、インフレ抑制のために極端な金融引き締め政策が採られ、基準金利は2008年7月には14%まで上昇していました。この時、銀行預金の金利は一時20%近くまで上昇しました。たとえば、この時に1年の定期預金をした人が、満期のお金が09年の年央に戻ってきたときに、現在の金利(基準金利は7.0%(09年2月末現在))では物足りなく感じる人もいるでしょう。そのうち少なくない人が、それならおもいっきり下がっている株式市場に資金を廻してみようと考える可能性は十分あるのではないでしょうか。

 

3. ベトナムの基礎知識~長期的な趨勢としてベトナムシフトは続く~

ここからはベトナム経済・ベトナム株の現状と魅力を見ていきましょう。

ベトナムは国土約33万平方キロメートル、人口8611万人(2008年7月推定値)の社会主義国です。国土は南北に長く、国土面積や人口は日本にかなり近い数字です(日本は38万平方キロメートル、人口1億2770万人)。宗教は仏教が8割方を占めている点、古来、中国から文化の影響を受けている点でも日本と似ていると言えます。社会主義国ですが、1986年に党大会にて採択された市場経済システムの導入と対外開放を柱としたドイモイ(刷新)路線を継続しており、豊かな社会に向かってようやく動き始めたところです。2007年1月にはWTOにも正式加盟しました。

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このベトナムの株式市場がポストBRICsとして熱い注目が注がれています。ベトナム株が急に注目を受けるようになった理由はベトナム経済が活性化してきているからです。その最も大きな理由は中国の人件費高騰による生産拠点の移動です。ベトナムは中国の沿岸沿いの南端に隣接しています。

中国の成長の原動力は安価な人件費と土地を利用して世界の工場になれたこと。そして世界の工場になるには輸出入のために海に面していることが必要条件となります。ベトナムはこの条件を共に有しています。現在、上海や深センなどの中国の沿岸工場地帯の人件費が高騰してきており、日本円で大体1ヶ月3万円ぐらいになっています。一般的にはより安価な人件費を求めるために中国の内陸部に工場の移動が始まると考えられがちなのですが、実際には違います。どうしてかというと、内陸では物を輸送するコストが莫大になってしまうからです。実際には沿岸沿いに南下してきており、ベトナムに進出する工場が後をたたなくなってきています。ベトナムの賃金は大体1ヶ月6千円~8千円ぐらいですから、上海や深センに比べて人件費が6分の1~3分の1で済みます。ここにベトナムが発展している力の源があるわけです。不景気になればなるほど、世界の企業はコストを削減する必要があります。

世界銀行は、2008年12月に発表した最新レポート(Global Economic Prospects 2009)で、世界各国の2008年度~2010年度のGDP成長率の見通しを下記のように予想しています。

■世界銀行 Global Economic Prospects 2009による主要国のGDP予想成長率(%)
2008 2009 2010
中国 9.4 7.5 8.5
ベトナム 6.5 6.5 7.5
インド 6.3 5.8 7.7
インドネシア 6.0 4.4 6.0
タイ 4.6 3.6 5.0
ロシア 6.0 3.0 5.0
ブラジル 5.2 2.8 4.6
日本 0.5 -0.1 1.5
米国 1.4 -0.5 2.0

この表にあるとおり、日本や米国は2009年にはマイナス成長となっていますが、ベトナムは6.5%の成長を維持する見通しです。BRICsと比較しても、これはインド、ブラジル、ロシアを凌ぎ、中国に匹敵する高い見通しとなっています。

しかし、中国株(ここでは香港H株)が、08年10月の安値から08年12月末の終値までに64.7%反発したのに対し、ベトナム株(ここではVN指数)は同期間、0.6%しか反発していなく、底値を這うような状態が続いています。しかし、だからこそ割安感があり、3~5年後を視野に入れれば、ベトナム経済は大きく成長する可能性があり、この底値を這っている、ここしばらくが、ベトナムを代表する王道株を仕込むには良い時期なのではないでしょうか。

 

4.美しい人口ピラミッド、勤勉で優秀な若い人材が豊富

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勤勉で優秀な若い人材が豊富であるという点もベトナムの強味です。シンガポールの元首相であるリークワンユーも著書『回顧録』(日本経済新聞社 2000年9月)の中でベトナム戦争中に彼らが限られた資源を活用して戦い抜いたことや祖国を逃れ、アメリカやフランスに渡ったベトナム人達が短時間のうちに成功した点に関して『恐ろしいほどの能力』と評し、『将来、ベトナムが大きな飛躍を遂げるだろうことに私は何の疑問も抱いていない』と述べています。後述の、国際協力銀行による『わが国製造企業の海外事業展開に関する調査報告』の中で日本企業がベトナムを有望と見る理由の【1つが優秀な人材】であり、これは有望国トップ10カ国の中でも、インドとベトナムしか有望とする理由に上げていません。

所得水準が低いにもかかわらず教育水準は極めて高いのも特徴です。国民の90.43%が小学校に就学し、40.77%が高校に進学しています。また、10代、20代、30代が人口の大半を占めており、これから伸びる若い労働力が豊富。もちろん、これから結婚・乗用車や家財購入、住宅購入を迎える住宅購入を迎える10代・20代・30代が多いということは、ベトナム自体の消費市場が将来非常に有望であることの表れであるとも言えます。実際のところ、金融危機下にあってなお、ベトナムの小売売上高は過去最高を更新し続けています。

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5.多くの日本企業がベトナムに熱い視線を注いでいる

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多くの日本企業がベトナムに注目を集めています。日越貿易は急拡大しており、輸出・輸入総額は2006に初めて1兆円を突破する勢いです。国際協力銀行が2008年11月に発表している『わが国製造企業の海外事業展開に関する調査報告』によれば、中期的(今後3年程度)にみた、あるいは中堅・中小企業の中期的な有望な事業展開先国・地域としてベトナムは中国やインドに次ぐ国として選ばれています。ベトナムを有望と位置づける理由としては、安価な労働力、現地マーケットの今後の成長性、他国リスク分散の受け皿、優秀な人材、組み立てメーカーへの供給拠点として、という点が上げられています。

中期的有望事業展開先
中国
インド
ベトナム
ロシア
タイ
中堅・中小企業の中期的有望事業展開先
中国
インド
ベトナム
タイ
ブラジル

 

また、アジア主要国・地域に関する中期的事業展開規模についてのアンケートでは、強化・拡大するの比率がインドに次ぐ2位となっています。

強化・拡大する 現状程度を維持する 縮小・撤退する
インド 90.0% 10.0% なし
ベトナム 80.4% 19.0% 0.5%
華東地域 68.4% 30.4% 1.2%
華南地域 67.9% 30.8% 1.3%
タイ 66.3% 32.6% 1.1%

 

リーマンショックによる金融危機後もその流れは変わっていません。たとえば、2008年12月の大きなニュースだけを見ても、12月1日にはキャノンの子会社であるキャノン電子が、最大123億円を投じてベトナムに部品工場を建設する計画を発表。12月8日には日産が、ベトナム日産の設立、同じく9日には、オリンパスがデジタルカメラのレンズユニットなどを生産するベトナム工場が完成したと発表。12月24日に東芝はベトナムに産業用高効率モーターの新工場を建設すると発表しています。総投資額は5年で約70億円を見込んでいます。

 

6.世界もベトナムを認め始めている

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2008年の外国直接投資額(FDI、認可ベース)は前年比約3倍の640億1100万米ドル(約5兆7800億円)に達しました。新規案件は工業・建設分野(572件)とサービス分野(554件)に集中しています。2009年はさすがに金融危機の影響を受けて、2008年よりは減少する見込みですが、それでも、09年1~2月は53億1100万ドルになるとみられており、08年ほどの勢いはありませんが、ベトナムへの投資の流れが止まっていないことを表しています。

 

7.ベトナム株の市場と仕組み

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ベトナムにはハノイとホーチミンの2つの証券取引所があります。日本の証券取引所に例えるなら、位置づけ的にはホーチミンが一部市場、ハノイが二部市場といったような感じです。

□ ホーチミン証券取引所
ホーチミンには174銘柄(09年2月末時点、その他上場投信が4銘柄)が上場しています。時価総額は約7493億円で、東京証券取引所の400兆円に比べるとほぼ534分の1程度。最低取引単位は10株で、たとえばVN指数構成ウェートトップ銘柄のビナミルク(ベトナムトップの乳製品メーカー)は1株7万4500ドン(=約416円、1円=179ドンで計算)ですから、単元株は4160円もあれば買えてしまいます。1日の市場全体の売買代金は大体10億円前後というところです。

□ ハノイ市場
一方、ハノイ証券取引所には176銘柄(09年2月末時点)が上場しています。時価総額は大体2455億円程度。こちらも単位株は10株で、1日の市場全体の売買代金は大体5億円前後というところです。

 

8.ベトナム株の3つの投資タイミング

(1)上場株を買う

前述のハノイ、ホーチミンの両市場で上場されている株式を買います。基本的に現地の証券会社に口座さえ開けば外国人でも自由に買うことができますが、銀行などの特定業種は30%まで、そのほかの国内企業は49%までという外国人投資家の持ち枠規制があり、規制枠内一杯まで達している企業は誰か外国人が売ってくれるまでは外国人は買うことができません。

8.ベトナム株の3つの投資タイミング

(2)店頭市場銘柄(OTC銘柄)を買う

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ベトナムの店頭株というのは日本の店頭株とは訳が違います。基本的に株式会社化している企業であればすべての企業が店頭銘柄となります(売ってくれる人がいさえすれば取引できます)。ただし、日本の店頭株取引のような仕組みはなく、本当に自由取引という感じです(現在システム化が進められていますが、遅れています)。わかりやすく言えば、日本のオークションのような感じです。証券会社やインターネットサイトで【売りたい人】、【買いたい人】が募集をかけていて、証券会社が仲介するか、あるいは連絡を取り合い、交渉、という形になります。最終的にはお金をはらい、株主手帳をもらい、その企業に一緒に訪問して株主名簿を書き換えてもらいます。したがって、日本人の個人投資家には非常に難しい投資と言えます。しかし、これがベトナム株の大きな魅力の1つであるのです。当ファンドではこのOTC市場への投資を実現します。

(3)IPOに参加する

国営企業が株式会社化する際など、一般に広く資金を募集する場合にIPOが行われます。今後も携帯電話最大手の会社などベトナムを代表する企業がIPOを実施する予定です。こちらも日本人の投資家には難しい投資ですが、ここにもベトナム株の大きな魅力が潜んでおり、当ファンドでは投資が可能です。

 

9.低迷している今こそベトナムを代表する王道株を買い貯める良いタイミング

まずは下記のチャートをご覧下さい。これがベトナム株の日経平均たるVN指数(ホーチミン証券取引所上場の全銘柄からなる時価総額加重平均指数)の推移です。この推移をおって、これまでのベトナム株の変遷を理解しておきましょう。

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●VN指数が2001年に急騰した理由と暴落した理由

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まず、1回目の暴騰である2001年の急騰の理由です。ベトナムの証券市場は2000年から取引を開始しましたが、この時は外国人、ベトナム人共に証券市場ができるということで注目している人が凄く多かったのですが、上場会社が2社しかなかったため、需要が巨大なのに供給が少なくて、バブル的に急騰してしまったわけです。
なんと、この時のベトナムの証券会社では朝の3時か4時から行列が出来たといいます。しかし、かなり上昇して過熱感が出てきたところで、ベトナム政府が1日の変動幅(ストップ高安)を7%から5%にひきさげたこと、上場企業がこれから増えていくことが発表されたことなどの市況冷却化政策が発表されたことから、急落となりました。

●VN指数が2006年に急騰した理由

次に2回目の2006年の急騰の理由ですが、これはいくつかの理由があります。

  1. WTO加盟が視野に入ってきたこと(07年1月に正式加盟)
  2. 世界的な景気拡大により、上場企業の業績が良くなってきたこと(中国の賃金上昇による生産拠点シフトの影響も)
  3. 2004年9月に外国人の投資枠が30%から49%に引き上げられたこと
  4. 3にあわせて、外国のファンドがベトナム株市場に参入してきたこと
  5. 政府が2~3年前に不動産市況を沈静化させる政策をとったため不動産市況が停滞し、投資資金の行き場がなくなっていた

 

●VN指数が08年に暴落した理由

そして、08年にベトナム株が暴落した理由は主に次の2つです

  1. 08年前半に世界的な商品価格の暴騰があり、金融引き締めに出遅れたベトナムを急激なインフレが襲ったこと
  2. サブプライムバブル崩壊やリーマンショックなどの金融危機の影響で世界的に株式市場が暴落したこと

 

しかし、現時点では商品価格は落ち着いて、既にベトナムのインフレも落ち着いてきています(前月着ベースの消費者物価指数(CPI)の推移は08年10月にマイナスに転じ、12月まで3ヶ月連続でマイナス推移となっています)。

 


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