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何故、今、投資を始める事が重要なのか?

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2. 何故、今、投資を始める事が重要なのか?

■投資を始めるには丁度良いタイミング

ところで、どうして、今、ファンドを立ち上げることになったのかについてご説明をしたいと思います。それは投資を始めるには丁度良いタイミングと考えているためです。

景気や株価は常に変動していきます。その流れは大きく分けると4つのサイクルに分けることが出来ます。

まず、景気が悪くなると政府や中央銀行は景気を良くするためにインフラ投資を行ったり、金利を引き下げてお金を借りやすくしたりします。現在は金利水準が低くなったために、お金の量をどんどん増やして、お金の流れを良くして経済を活性化しようとする量的金融緩和も行われています。

景気が悪い状態から金融緩和が行われると、これから景気が良くなるという期待感から、余剰資金が株式市場に流入して株価を押し上げます。これが金融相場です。日本は2012年末の選挙で自民党が圧勝し、アベノミクスがスタートし、異次元の金融緩和が行われてから長らく金融相場が続いている状況です。

そして、金利水準が低いことや株価が高くなることによって景気が次第に良くなり、富裕層や企業の消費や投資が拡大し、本当に景気が良くなるようになっていきます。そうすると企業の業績自体が良くなり、企業の業績拡大が株価を牽引する形で株価が上昇するようになります。これを業績相場と呼びます。

業績相場の前半においては景気が良くなりながら金利も徐々に上昇し、株価も上がっていく状態が続きます。まさに米国がこの状況です。米国は世界に先駆けて量的金融緩和を行い、いち早く景気を立て直しました。さらに景気が良くなっている上にトランプ大統領は10年で1.7兆ドル規模の大規模インフラ投資と1.5兆ドル規模の大規模減税を推し進めており、景気は更に加速していくことになりそうです。

そして、業績相場の後半になると(おそらく米国の政策金利が4%超となってくると見られる2020年頃か!?)、景気を冷ますために上がりすぎた金利が企業や経済の重しとなり、逆金融相場に突入していきます。

逆金融相場に入ると株価は長期下落局面に入っていきます。そして株価が大暴落を起こすようになると、消費需要減退などで経済に悪影響を及ぼし、景気後退局面に入ります。このころになると、信用不安による資金繰り悪化等で企業業績が悪化していき、企業業績の悪化で株価が下落する逆業績相場となります。
つまり、景気と株価は金融相場→業績相場→逆金融相場→逆業績相場の4つのサイクルを廻り続けるわけです。

前述にあるように、現在、日本や世界の多くの国は金融相場にあり、米国は一歩先を行って業績相場にあります。前述の通り、米国はここから一層の財政投資(インフラ投資や大規模減税)を行ってくるために業績相場は加速し、金利水準も徐々に上がっていくことでしょう。

このまま米国が業績相場を突き進み、日本や世界もその後に続いていくことを考えると、米中の貿易摩擦問題や地政学リスクなどの一過性の問題で株価が調整している今は投資のチャンスとして考えることが出来ると思います。

■アベノミクスにより欧米の株式市場に近づき、伸びしろが最も大きい日本株

一方、日本の株式市場も妙味があるところにあると考えます。

ある国の株価が欧米のように超長期的に上昇トレンドを描いていくようになるためには条件が3つあります。日本は欧米に遅れること数十年、ようやくそれらを満たしつつあります。

第1の条件は株主価値の向上です。具体的には株価上昇に直結するROE(自己資本利益率)の上昇、そして長期的な投資成果に欠かせない配当と自社株買いによる株主還元です。第2に徹底した企業統治です。これら2つが起きた結果として、第3の条件である大多数の国民による株式投資への参加、という流れが起こることです。

日本企業のROEはバブル期を含めて欧米を大きく下回り続け、平均10%を超えることはありませんでした。一方、米国企業を調査して常に感じていたことは、日本企業とは段違いともいえるROEの高さです。アップルやグーグル、フェイスブックをはじめ、中国のテンセントやアリババにおいても20%超は最低条件、30~40%台も珍しくないほどでした。日本企業のROEは長年5~8%程度が平均的で、2013年に私の会社で作成した日本株ファンダメンタルトップ500社の平均値も8%に満ちていませんでした。

それが、安倍政権発足後にROEを意識することが叫ばれるようになり、過剰なキャッシュを株主還元で減らした結果、資本効率が欧米並みに改善。さらに海外企業のM&Aが進んで収益の多くを海外が稼ぐようになるなど、純利益率も改善しました。結果として最新版の日本株ファンダメンタルトップ500社の平均ROEは、10%の壁をついに超えてきました。このままいけば来期(2018年度)はさらに改善が進み、10%超え確実なROEに加え、過去最高の企業収益も連続大幅上昇で更新し続ける見込みです。ROEが上昇すれば当然PBR(株価純資産倍率)が上昇します。結果として株価は上がる可能性が高まります。

配当も長期的には投資家の資産形成に重要です。米国主要500社で構成される株価指数は、1960年~2017年まで年率平均6.7%(年平均成長率、複利計算)で上昇してきました。同時に500社平均の純利益額もこの間年率6.6%で上昇してきました。さらに500社合計の配当額もこの間年率5.7%で増えてきました。

■企業統治の強化で信頼される市場を作る

第2の企業統治については、有名なエンロン事件後の対応が物語っています。失墜しかけた株式市場への信用の回復に米政府は全力を挙げて取り組み、信じられないようなスピードで「サーベンス・オクスレー法(SOX法)」を成立させ、企業内部の統制を強固にしました。1980年代から米国ではミューチュアルファンド(投資信託)に人々が投資を行い、確定拠出型年金(401k)も自己責任で運用する仕組みが進み、街のあちこちで投資教育も盛んとなってきました。こうした人々の株式への投資は、前提としてクリーンで信用できる株式市場を米政府が最重要視し、全力で作り上げてきたことによります。怪しい市場に近寄る一般の人などいないからです。

日本では、ようやく安倍政権になって矢継ぎ早にコーポレートガバナンス改革とスチュワードシップ・コードが採用され、企業統治が強化されてきました。同時に麻生財務相と森金融庁長官の下で、投資家の資産形成に真に役立たない投信への批判が強まり、分配金ばかり出して複利運用の機会を減らす投信から大幅な資金流出が起きています。金融機関だけがもうかる商品の排除に本気で取り組んだのは、森長官が最初だと思います。日本も米国が重視してきた点に気づいたのです。つみたてNISAも開始されていますが、運用対象は投資家の長期的な資産形成に役立つとの審査をクリアした投信だけとなっています。

赤ちゃんの数よりも100歳以上の人口が大きくなる時代の福祉をどうやって支えるか、森長官はそれに取り組んでいるのです。

企業業績がROEの改善を伴って過去最高を更新し続けることで株価上昇のお膳立てが整う。そこに公正かつ信頼できる株式市場が政府主導で作られ、さらにGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革、個人によるNISAやつみたてNISA、確定拠出型年金への投資を通じてマネー流入が促されるとすれば、今後、日本の株式市場は大きく変わっていくと思います。

ちなみに家計部門の金融資産に占める株式の比率は、1980年代から改革を進めてきた米国が最も進んでいます。日本円換算で8750兆円もある金融資産のうち36%が株式、さらに11%ある投資信託や31%ある保険、年金資産の多くも株式型のファンドによって運用されています。

一方、日本の金融資産は1800兆円ですが、うち株式は10%、投信は5%とごく僅かな構成です。実は、この構成比率とそっくりだったのが1990年時点のドイツでした。しかしドイツは株式持ち合い解消などの改革を90年代に進め、その結果ドイツDAX指数も長期的に最高値更新続きとなっています。ユーロ圏全体を見ても、家計部門の金融資産構成はかなり米国に近づいています。ユーロ圏の金融資産は日本より大きい3100兆円です。

現在、日本の個人投資家による持ち株比率は過去最低となる17%となっていますが、これは「株は投機」という印象が長年野放しになってきた結果です。しかし、細かく見ると、バブル世代が高値回復で売りを出す一方、NISAなどを通じて新しい若い世代が株を買い始めています。

ここから先は年号が変わり、正しい政策の下で株購入の世代交代が進むと思われます。そして公正でクリーンな株式市場と、ROE重視、株主還元の高まり、さらに真に投資家のための金融商品の登場によって、1990年代にドイツがたどったように、米国化していくことでしょう。もうインサイダーや仕手筋、怪しい噂話の闊歩(かっぽ)するマイナー市場でなく、長期の資産形成を国民全体が目指す「メジャー市場」となっていくと思います。

コーポレートガバナンスコード、スチュワードシップ・コード、NISA、確定拠出型年金などは全てその方向に沿った正しい政策です。そうすると1800兆円の金融資産のうちから数百兆円が株式市場に流れ、買うから上がる、上がるからまた買う、という米国と同じ好循環に入っていきます。こうして米国の国民総資産は1京円を超えてきたのであって、欧州、日本もそれに遅れて気づいてきたのです。

このような背景から、日本株は最も伸びしろの大きな株式市場として世界から注目を浴びる可能性があると思います。

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