同社の株価はオプジーボによって劇的に舞い上がってきました。

3年前の同社株価は4,500円という水準でしたが、現在予想PER130倍を超える2万3,000円台という過去最高値にあります。

同社株は、オプジーボが殆ど収益化されていない状態から上昇してきましたが、今やっと収益寄与が急加速してきたところです。第2四半期の時点ではPERは150倍程度(この時株価は19000円近辺)でしたが、オプジーボ効果で利益増して若干下がりました。研究開発費が軽くなり、オプジーボ効果が相当ではじめると、(利益倍増して)PERは半分程度になるイメージです。

オプジーボ(OPDIVO、一般名:ニボルマブ)は、T細胞の持つ本来の癌攻撃力を利用した、一般の抗がん剤とは全く違うアプローチの免疫療法を利用したものです。2014年9月悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬として発売され、2015年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応を追加。

オプジーボの売上は、2016年3月期1-3Qで57億円(前年比288.2%増)でしたが、通期予想は120億円上方修正された175億円に(前期比595.8%)。これによって第4四半期だけで118億円を売り上げる見込みとなりました。

これは2月に非小細胞肺がんの新効能が、DPC(診断群分類別包括払い方式)病院で出来高算定されるため、2月・3月の売上が急拡大するからです。

これが来期からは通年寄与してくることを考えるとオプジーボだけで売上高1000億円は想定内ではないかと考えられます。

オプジーボに関連する研究開発費や、MR増強による販売管理費が当初予想より増加する見込み。

積極的な開発、投資状況を見ると、同社はオプジーボのブロックバスター化を視野に入れているのではないでしょうか。

(ちなみに死亡数で最大の肺がんに対し、世界で初めて免疫療法での有効性を実証した米国市場では、日本に先駆けて肺がんの治療薬として上市させました。ブリストル社(共同開発相手)のオプジーボの売上は3ヶ月で420億円を超えました。)

オプジーボの、売上に占める割合は第三四半期で5.1%、通期では11.2%まで拡大する見通しです。

現在の主力製品が低迷している中で目覚ましく成長しており、来期以降も適応拡大による売上急拡大が期待できると思います。現在進められているニボルマブの開発状況はおおむねフェーズ3試験を進めています。

 

  • オプジーボ(ニボルマブ)の開発の進捗状況

同社が販売権を得ている日本・韓国・台湾においては、「肝細胞がん」や「胃がん」など14の対象で治験を進めており、9の対象がフェーズⅢの段階にあります。

 

そして欧米・その他の地域で販売するのが、ブリストル社です。

欧米においては、「腎細胞がん」の承認を受けたほか、「非小細胞肺がん」など3つが申請中で、臨床試験を進めている15の対象のうち6つがフェーズ3にあります。

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