今晩は、小池麻千子です。

今日は半導体市場に目を向けたいと思います。
また少し長くなりますが、よろしくお願いいたします。

スマホ普及の一巡などで一部鈍化も見られる半導体市場ですが、
メモリーの進化をけん引役に継続した成長が見込まれています。

IoT化によりモノとインターネットが繋がるだけではなく、
M2M、つまりモノとモノがインターネットで繋がることが広がっています。

半導体市場はスマホ市場の成熟化を迎えましたが、2020年には500億台
(2014年145億台)がIoTとして繋がると予想されています。

そしてデータ通信量は2013年の0.6ゼタバイトから平均21%の成長率で拡大し、
2018年には1.6ゼタバイトになると予想されています。
ゼタバイトというのは10の21乗。
世界中の砂浜の砂の数になると言います(東京エレクトロンHPより)。
つまり世界中の砂の数の1.6倍の量が一年間で通信されることになるということです。

天文学的な量のデータというわけですが、それを保管するのがストレージです。

ストレージ(外部記憶装置/補助記憶装置/二次記憶装置)とは、
データを永続的に記憶する装置を言います。

ここ数年ストレージは「フラッシュメモリ」という記憶媒体が、スマホやSDカード、
メモリースティックなどのコンシューマー機器向けの記憶媒体として普及してきました。

記憶するデータは静止画画像から、今や動画とデータ量は巨大化しています。
今後もIoT時代の中で、自動運転や人工知能、インターネットの高速化などを
背景にメモリの大容量化は進んでいくのです。

メモリが進化しないと、データが処理できず、第4次産業革命など無理でしょう。

そこで、メモリーの容量を大きくするために進められてきたのが
DRAMの微細化でした。
微細化というのは同じ面積の中でより多くの配線を引けるようにすることを言い、
「野球場にシャーペンの芯をぶつからないように敷き詰めていくに等しい作業
(東芝HPから引用)」といいます。

この微細化が半導体IC(集積回路)の進化を牽引してきたのですが、今は、
2次元のNANDフラッシュに比べて高集積化が可能な3次元構造の
3D NANDが注目されているというわけです。

東芝など半導体メーカー、東京エレクトロンなど半導体製造装置会社を見渡すと、
今後数年は3D NANDの積層化が成長のカギとなっていることに気づきます。

JPモルガンによると、半導体製造装置市場の2016 年の成長率を前年比+5.2%と
小幅伸長とみがらら、メモリ市場については前年比+14%と
メモリ市場の急拡大を予想しています。

製造プロセスが微細化を中心とした2Dから、立体的な積層構造の3Dになることが
拡大の要因と考えられます。

またデータの大容量・高速処理化が進む中、今後3D NANDは
48 層から128 層に進化していくとする見方もあります。

その過程ではそれに必要な技術や材料が必ず必要となってきます。

<メモリー市場拡大の恩恵を受ける企業の一例>
東京エレクトロン(8035):エッチング装置(特に積層数増加に不可欠な
層間絶縁膜エッチャー)でのシェア拡大が見込まれる

トリケミカル研究所(4369):半導体や太陽電池、光ファイバーなどの
製造に不可欠な特殊化合物を手掛ける。
高純度化学薬品に強み。世界最大の半導体生産国台湾向けが好調

半導体市場が緩やかな成長を続ける中で、半導体微細化・高積載化
による追い風に乗って好業績が継続すると思います。

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