新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、新年早々、筆者の予想通り、中国発の混乱が世界金融マーケットに直撃、円高市況をもたらしました。実際、筆者は中国から帰ってきたばかりで、この間中国で初のセミナーを開催し、中国株の行き先が厳しいといった内容を話してきたので、予想通りの展開だと言えます。

中国株の急変、当然のように世界株の全面安、原油安や円高のトレンドを一段と押し、昨日日経の18000円関門割れ、ドル/円の117.32打診につながったわけです。ユーロ/円は126.77まで迫り、昨年4月安値126.09に接近、豪ドル/円も一時81.96を打診、昨年8月安値81.89の寸前まで迫りました。

より大きい下げ幅を見せているのはポンド/円となります。ポンド/円は昨日170.68を打診、2014年10月17日以来の安値を更新しました。ポンド/円の暴落は通貨の両サイド、即ちポンドサイドと円サイドの事情が両方作用した結果でありますが、円サイドのリスクオフにいる円買いに比べ、ポンドサイドの事情はやや複雑であります。

英国は今年EU離脱するかどうかに関する公民投票が実施されるかもしれません。EU離脱に巡る懸念がポンド売りをもたらし、ドル以外のメイン通貨に対して、ポンド安の傾向も鮮明になってきました。その上、英国利上げの後ずれや英国財務省の発言(景気が下向くリスクが多数といった趣旨)も効き、ポンド/円を今回の「最大敗者」に仕上げたわけです。

ところで、ポンド/円を始め、クロス円の多くが目先売られすぎの度合いが濃厚で、一旦リバウンドを展開してもおかしくないと見っています。サーキットブレーカー制度の停止に好感し、本日中国株が反騰しているところも支援材料だと見ています。

あくまで中国株次第、といった意味あいでは、近々為替相場の行方を占うには、中国株の動向から目を逸らせないでしょう。結論から申すと、中国株が昨年8月安値から同12月までの反騰、昨年6月高値を起点とした大型下落波における修正子波と位置付けられるから、年初から一連の騒動、ベアトレンドへ復帰した故であると言えます。

言い換えれば、すでにベアトレンドへ復帰した中国株、サーキットブレーカー制度があるかないかと関係なく、これからもベアトレンドを継続するでしょう。一時のリバウンドがあってもメイントレンドを修正できず、戻りがあれば再度売り浴びられる公算が高いから、引き続き警戒しておきたいと思います。

となると、為替市場の行方も自明になってきます。ドル/円を含み、クロス円が一旦売られすぎによる修正があるものの、メイントレンドがすでに円高トレンドンへシフトされ、安易なチェンジがなかろう。中国株の下落、まだ序の口なので、目先日経の下落や円高もまだ序の口であります。そう遠くないうち、ドル/円は昨年8月安値115.89を割り込み、ベアトレンドへ転換する正式なサインを灯すと推測されます。