【21年9月26日】今日は前回の勝率と違う勝率について書きます。前回の勝率は、トレードの総数に対する勝率で、説明するにしても単純な勝率でしたが、今日書く勝率は、個別のトレードに対する勝率です。でもどちらの勝率も、結局は自分自身の勝率となります。

現在のFXでは、個人投資家も金融機関のプロとほとんど同じチャート分析ができます。証拠金業者のリアルタイムのプライスによって、1分足から月足までの時間軸すべてで、誰もが簡単にリアルタイムチャートを見て、様々な分析ツールを利用することが可能です。

私が初めて現在のチャートの原型と見られる、リアルタイム5分足のチャートを見たのは、よく覚えていませんが、テレトラックという情報ツールによるもので、確か1989年頃のことだったと思います。その頃はまだ取引の電子化が進んでいなかった頃で、チャートを構成するレートは、契約する金融機関が情報端末に、インターバンク取引に基づいたそれぞれ任意のプライスを、インプットすることによって供給されました。

そういった頃のチャート分析は、主に日足の手書きのチャートで行われていました。そのころから移動平均線やRSIといった分析手法はあったものの、ほとんど手計算でそれらを手書きのチャートに書き加えるというものでした。

こういった原始的なチャート分析環境から始まって、現在は広く一般的に、高度な機能を持つリアルタイムチャートが、容易に入手可能になりました。そんな分析ツールの進歩によって、以前できなかったトレード分析の中でも、私が特に注目する大きな変化がありました。それは、ほぼ無限大に、トレーダーが望むだけの、市場の値動きによるチャートパターンを検証することが、可能になったということです。

例えば上昇や下降の一定のパターンを見つけ出し、それらと類似したパターンを別チャートからできるだけたくさん選り出し、値動きを比較してみる。 その結果として、エントリー判断材料のひとつに、そのトレードのリスクリワードと勝率を加えることができるようになりました。つまり、トレードの優位性の判断をすることができるようになったのです。

今回のチャートパターンの検証結果による勝率は、前回の私の総トレード回数に対しての勝率と意味が違います。でも両方とも私自身の勝率であり、長い間トレードすると、結局は同じことになるような気がします。

チャートパターン検証に基づく勝率やリスクリワードは、万人共通でなく、トレーダーによって違います。それらを導く検証の回数や設定するトレード期間、トレードスタイル、資金量や耐えられる損失額などの条件がトレーダーの事情によって違うからです。 検証方法や内容が異なれば、人によってその相場に対してのトレードのリスクリワード、勝率、それらに基づく優位性の判断は違うものになります。ある共通の相場に対して、ひとりは売りに優位性があり、別のトレーダーは買いに優位性があると判断することも十分考えられます。だからこそ市場で売買が成立するのかも知れません。 「トレードする時、優位性は何で判断していますか」と聞かれることがありますが、これはその時の相場状況によって色々と変わってきます。そういったことについても、追々書いていきたいと思います。

過去のチャートパターンを検証して、エントリーした場合の勝率を考える、と言うのは簡単ですが、この検証というのはとても厄介な作業です。無数にあるチャートから、下落のパターンや上昇パターンを選びだすのも大変ですが、トレードのシュミレーションをして、勝敗の結果を導きだすのも大変です。銀行ディーラー時代は、そんな時間の余裕はありませんでした。まず何よりも実際にトレードしなければなりませんでした。顧客によってトレードさせられるという側面もありました。

ということで、検証による勝率の算出は、実際のエントリーによる結果に関わってきます。とすると、エントリー総数に対する勝率にも影響を及ぼします。ふたつの勝率は、違う性質のものですが、現実には密接に関わっています。

改めて次回から、私自身の個別トレードのリスクリワードと勝率、エントリーするかどうかの判断、そして総エントリー数に対する勝率について、書いていくつもりです。