【21年9月22日】ネットでFX関連の記事やTwitterを覗いていると、「勝率OO割を誇る!」などの、見出しの広告を見ることがありますが、FXで結果をだしていくことに、勝率はどのように関わってくるのでしょうか。

まず勝率を何によって計るか、ということが問題になりますが、個人のデイトレーダーの立場で、一番単純に考えると、トレードのエントリー回数総数に対して、利確で決着したトレードがどれくらいの割合であったか、ということではないかと思います。今まで書いてきたように、スインガーやスキャルパーでは、分母となるエントリー回数がまったく違ってくるので、ここではデイトレーダーに限定して、この一番単純に定義した勝率の話をすることにします。

まずもって、私はトレーダーがその勝率にこだわることに、どれだけの意味を持っているのか疑問に思っています。疑問はふたつの側面からあります。ひとつは、トレード経験に関わるエントリーの総数、そしてもうひとつが、1回のエントリーで生み出す利益額です。

トレード経験が1年の、デイトレード中心の個人トレーダーのエントリー回数は、どれくらいになるのでしょうか。個人差がありますが、専業でなければ、1日平均2回がいいところではないでしょうか。ではひと月で約40回、年間で500回トレードした、トレーダーがいたとしましょう。

私の場合、28年間の銀行でのトレードに、8年近くの専業トレードを加えると、デイトレードのエントリー総数はおよそ7万回ではないかと考えています。これは銀行時代の対顧客取引のカバーに関わるトレードは一切加えず、純粋に自己勘定のデイトレードのエントリー回数です。

広告で一番多い宣伝効果のある勝率は、 私の印象ですが、8割という数字が一番インチキ臭くなく現実的な範囲で、トレーダーが最もあこがれている数字のような気がします。 もし、私が自分のメルマガで採用している推奨エントリーを行って、8割という結果を叩き出すとすれば、これはものすごく高い勝率になります。 儲けられるトレード手法は人によって違いますし、相場に王道なし、で、どれが一番良いというものはありません。私には私ができる能力範囲のトレードしかできませんが、私のトレードの勝率はおよそ5割。良くても6割をちょっと下回る程度だと思います。

もし、先に述べた1年間に500エントリーした、個人トレーダーの勝率が8割あったとしたら、このトレーダーはそのうちの400エントリーで勝利できたことになります。私の勝率は5割ほどで、利確したエントリーは3万5千回ほどです。勝率にすると経験1年のトレーダーのほうが圧倒的に高いですが、私は経験が多くあるために、勝率は5割程度でも、今まで経験した勝ちエントリーの数は、1年目のトレーダーを圧倒しています。

何を当たり前のことを、なのですが、結局、経験1年目のトレーダーが、私の勝ち回数に近づくためには、とにかくエントリーし続けて、エントリー回数を増やしていくことしかないのです。これが、「経験を積む」ということです。これを意識的にやっていこうとすると、勝率は下がっていきます。まったくのドタ勘でマーケットに入っていくことは、ただお金を捨てるようなもので論外ですが、今まで5つの根拠があって、その根拠間に発生する矛盾を乗り越えて、やっとの思いで行ってきたエントリーの、その根拠の数を、2つぐらいまでスパっと切り捨てることができるようにならなければ、エントリー回数は劇的に増えません。でもこれをやって、勝率を下げてでも、エントリー総数を増やし、勝ちの回数を増やしていく。そこでまた新たに見えてくるものがあります。その見えてくるものについては、また別の機会で書きたいと思います。

勝率を落としてでも、トレード回数を増やせ。勝ちの回数も増える。でも負けの回数も増える。そこをどう切り開いていくのか。勝率を落としても生き残っていくには、悪い負けを減らして、良い勝ちを増やしていくしかありません。勝率にこだわることから解放されるための、もうひとつの側面である、勝率に負けない利益額を考えなくてはなりません。

これはよく言われるところの、エントリーの優位性と関わっています。次回はこういった話を書くつもりですが、結構行き当たりばったりで書いてますので、この話をする前に、いくつか回り道をする話が入るかも知れません。