【22年12月18日】今年も押し迫ってきました。GLAFXを購読していただいた会員の皆さま、大変お世話になりました。この1年間思考錯誤を繰り返しながら、毎日売買ゾーンを配信してきましたが、今年はUSDJPYが大相場となり、FX全体はかなり活況な1年になりました。USDJPYはアジア時間で活発に動くことが多く、ロンドン市場を中心とするGLAFXと私自身のトレードの成績は必ずしも一致しませんが、全体的にはUSD上昇局面で好成績のことが多く、例えばUSDJPYが調整局面に入った5月8月10月11月は、逆に苦労することが多かったように思います。

お金をいただいて売買方針を配信しているかぎり、成績不振で退会される方がでることは仕方のないことだと思います。実際勝率が落ちて、ドローダウンが増えた時には購読をおやめになる方が多かったです。その方たちには、お役にたてず申し訳なかった気持ちと、またこれまで購読を続けていただいたことに対して、心より感謝申し上げたいと思います。

一方で私は、「トレードは自分で考える力を持たなくてはならない。相場の上げ下げはやってみなければ誰にもわからない」ということを、今年は何度となくお話してきました。その意味するところと難易度の高い内容を、シンプルな形で配信していることをご理解いただいて、まだ多くの方からご支持をいただいていることをうれしく思います。今までは会員数を増やすことも念頭に置いて、短期的な勝敗を意識した配信になることもありました。来年は現在の会員の皆さんを第一に考えた、さらに寄り添った内容にしていきたいと思います。

さて、今日は今年最後のブログになるので、今年お世話になった感謝もこめて、毎日のGLAFXの売買ゾーンの作成について、実践に近い形で具体的にご紹介します。GLAFXの内容について、ブログで公開することは、今回で最後にしたいと思います。

以前にも書いた通り、私は手書きでチャートを作っていた古いトレーダーですので、チャートは自分がつけていた頃の日足チャートがトレードの基本になります。私が現在主に監視している通貨は、USD,JPY,EUR,GBP,AUDの5通貨になりますが、今私はこれらの監視通貨の中で、USDを買いたいと思い、このUSDに対して売る通貨を検討しています。なぜUSDを買いたいか、ということを書くととても長くなってしまうので、ここでは省きます。簡単に言えば、9月以降のUSD売りの流れが先日のFOMCで変わってくるのではないかと考えるからですが、私がどう考えるかそんなことはどうでもいいのです。なぜかと言えば、「相場の上げ下げはやってみなければ誰にもわからない」からです。

ここからは実践的な話になります。現在12月18日日曜日の午前中で、実際のチャートは止まっているのですが、月曜日の本編配信前に、私が売買ゾーンの設定を考えていると仮定して読んでください。USDを買いたいと思っている私は、USDJPY,EURUSD,AUDUSDと日足チャートを見ていって、GBPUSDで立ち止まりました。GBPUSDの日足が下のチャートになります。

GBPUSDは9日金曜日の終値が1.2135近辺で、前日に0.5%の利上げをしたにもかかわらず大陰線をだしています。天井圏での大陰線は、長年の経験上売りサインと考えているので、USD買いに対する売り通貨はGBPにして、GLAFXでGBPUSDの売りゾーンを設定できないか考えてみることにしました。上の裸の日足チャートだけでは、視覚的に材料不足です。なので、ちょっとトレンドラインと水平線を加えてみます。それが下のチャートになります。

実際には他に移動平均線などのインジケーターも追加するのですが、見やすくするために1本の青色水平線と3本の緑色水平線、それにトレンドチャネルのみを加えてみました。これでもっと状況がわかりやすくなりました。GBPUSDは9月に1.03台の底値をつけてから、上昇チャネル内にあります。現在の実勢レートは水平線1の近辺にあります。この水平線1は直近のサポートとして、まずまず優秀ラインになりそうです。ここのラインをバックにロングしていくトレーダーも多いのではないかと考えます。

私はどうするか。私は金曜日にだした大陰線のロウソク足と、この上昇チャネル内でGBPUSDの高値更新のペースが鈍ってきていて、破線で表しているチャネル中間部分を下抜けしていることに注目しています。直近のサポートを下抜ければ、赤色で塗りつぶした上昇チャネル下限と水平線2が交わるところまで下落、それを下抜けすればさらに水平線3まで下落するという、スイング用のシナリオまで想定します。ただデイトレードとしては、赤色ゾーンをとりあえず狙っていくことになります。かと言って、すぐに成行でGBPUSDを売ったりしません。直近サポートの水平線1を下抜けするまで待つのですが、これを日足で待っていたら赤色ゾーンを取り逃がしてしまいます。そこでチャートの時間軸を下位足に落として売りの下抜けを確認してショートしていきます。

一方GLAFXの売買方針ですが、配信前に水平線1を明白に下抜けしていれば、この水平線をバックに売りゾーンを設定しますが、そうでなければ実勢レート近辺の売りは見送ることになります。GBPUSDの下落を考えているので、ロングすることはありませんが、ではどこで戻り売りできるかです。先ほど水平線1をバックにロングしていくトレーダーもいると書きましたが、その人たちが利食いの売りを入れるとすればどこになるかを考えます。すると小さいですが、青色の水平線あたりがレジスタンスとなっているので、上昇するとすればそのあたりで売り圧力が強くなるのではないかと考えます。そしてここからは、チャートの時間足を4時間足に落として考えます。

上の4時間足を見て、ざっくりとした方針が決まります。売買方針は細かくしたところで、その通りになることはないので、あくまでざっくりと考えることが基本になります。状況は下落過程での1.2120から1.2220にかけてのレンジ揉み合い。私自身のトレードは、売り方針で実勢レートが1.2200割れで、レンジを下抜けと判断して売りを仕掛ける。ターゲットは1.2030近辺。逆に実勢レートが上昇した場合は1.2220近辺でショート。ターゲットは1.2130近辺。GLAFXでは下抜けでのトレードはできないので、1.2220近辺での戻り売りに絞ります。最近GLAFXのエントリー期限を22時30分まで短縮し、あまり実勢から離れた売買ゾーンを設定しても意味がないので、配信準備時に120pips以上のグループ3は取りやめ、110pips以内のエントリーにならなければ、設定しないようにしています。1.2220近辺のエントリーが、その日の売りゾーンとして有効であれば、さらに時間足を落として具体的な売りゾーンを決定することになります。

上のチャートは1時間足ですが、1.2220近辺を売りゾーンにする根拠が十分か確認します。直近のロウソク足の上ヒゲは1.2220近辺に集中しており、このあたりを売りゾーンにして良さそうです。さらに日付をさかのぼってみると、1.2240近辺が以前サポートになっていたことがわかります。ロスカットはこの上に置けばトレードに整合性がでます。GLAFXの売りゾーンは20pips幅で、ロスカットはゾーン中央値から30pips上なので、1.2220-1.2240を売りゾーンにすれば、ロスカットは1.2260となり、GLAFXの売りゾーンとして適切な条件をクリアしたことになります。こうして売買ゾーンは設定されていきます。

GBPUSDを売る根拠が複数あり、少し実勢レートから遠い場合、もっと攻めた形で売りゾーンが設定できないか、念のために検証します。上はさらに時間軸を落とした15分足チャートになります。これを見ると1時間足の1.2220の他に、そのさらに下の1.2200近辺が、レジスタンスとして使えそうです。この場合1.2200-1.2220と売りゾーンを20pips下にすることが可能です。ただし、時間足を落とすとそれだけレジスタンスやサポートの信頼性は低くなります。エントリーはしやすくなっても、ロスカットされる可能性が高くなりますから、この折り合いをどうつけるかがカギとなります。私個人としては、15分足より1時間足のチャートを監視しているトレーダーが圧倒的に多いと考えているので、多くの場合は1時間足で判断した売買ゾーンを採用しています。

以上が、実際的なGLAFXの売買ゾーンの作成過程の、GBPUSDを例にした説明です。実際に明日の売買ゾーンとして採用するかも知れません。

今後のブログですが、月1回ぐらいにペースを落として、私が実際にトレードする通貨ペアの中からひとつ選んで、トレードのシナリオについて解説しようかと考えています。相場が上がるか下がるかということを書くつもりはありません。相場が上がるか下がるかを予想することは、トレーダーにとって大事なことではなく、上げ下げ両方に対処する力を持っていることが重要なのです。かと言って、どちらも両方獲っていくことはとても難しいことです。しかし、目線を一定に保つことはできます。買い目線を持っているのであれば、買いのシナリオだけひたすら探していく。売られたら様子見。でもここまで売られたらここからは売り目線で相場を見ていく。トレードはこうしたことの繰り返しです。だからこそ、トレードに自分なりのシナリオを持つことが重要なのです。

来年は、会員の皆さんが自分の目線でシナリオを作り、そのシナリオに基づいてトレードしていくお手伝がもっとできればと考えています。毎日の配信は実践トレードが優先で、シナリオ作成の過程や根拠を十分に伝えることは難しいと思います。そういったことを、来年はブログでもっと補っていきたいと考えています。

新年最初のブログは、1月18日を予定しています。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。