2月に15000円を割った日経平均も17000円を回復したというのに
ドル円は2月の水準のままです。

円高は日経平均の重しとなって、FOMCの利上げ観測後退を背景とした
世界的リスクオンムードについていけていない状態です。

日経平均にドル円が連動しない理由の一つとして、
「日米金利差が縮小しているから」という見方があります。

単純に、金利差=米金利-日本金利
実質金利=名目金利-予想インフレ率 の公式に当てはめても、
米経済の見通しが明るくなったことからインフレ率上昇による実質金利の低下が
導かれます。

あと、ヨーローパと日本の低金利政策で、資金運用がリスク資産に向けられています。

例えば、先進国の進める超低金利環境の中で、
投資家達は利回りのよい投資先に資金を投入しようとします。
そうしないと、資金が増えないですから、外債などが買われることになります。

この際為替はヘッジされることが多いので為替への影響はフラットとなります。

先進国で安心な米国債が買われ、国債価格は上昇=金利は低下となり、
結果、米国債の金利と日本国債の金利差は縮まります。
米国債の利回りが下がったとしても日本よりは高いですから
また買われ、また縮小していくという流れになります。

これも実質金利差縮小の経緯の一つです。

実質金利差が縮小すると、ドル優位性が弱まるので、ドル安をもたらします。

ドル安は原油価格を押し上げ、株式市場に好影響をもたらしていますし、
新興国企業のデフォルト懸念もも和らげ、新興国から流出していた
資金を呼び戻す流れを生みました。

米経済にとっては資源関連企業の業績懸念が後退したことで、雇用指標の改善も期待できるでしょう。

一方、日本市場は円高や、マイナス金利導入による金融機関の体力消耗に対する不安が株価を押さえつけている状況。
こんな状態で選挙を迎えることはないという、消費再増税は凍結の見方が強いです。
実際「再増税はやめた方がいいよ」、という専門家を呼んだ会合が開かれています。

しかし、荒っぽくはなりますが、実質金利差だけで考えれば、
消費増税は、インフレ率を上昇させるため、さらに日本の実質金利を押し下げ、
実質金利差を拡大させる、ドル優位性を復活させる最終手段という考え方もできます。

4月の日銀会合や、政府の動向を見ておく必要があります

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