【22年6月28日】今月22日にUSDJPYは136.70台をつけました。これは1998年以来の高値になります。こうなると、次はどのあたりが上昇の目途となるのだろうと、昔のチャートをたどることになるのですが、例えば昔つけた高値や安値は現在でも市場に意識され、昔引けたレジスタンスラインやサポートラインは、現在でも効いてくるものなのでしょうか。今日はそういったことを書きたいと思います。

唐突ですが、上の写真は私がこの業界に入ってから作ってきたUSDJPYの日足チャートになります。1985年のプラザ合意前後からのもので、ずっと方眼紙を継ぎ足しながらつけてきました。そして写真のように大陰線で終了していますが、この最後の日は1998年の10月7日になります。この1998年頃というのは、すでにロイターなどの主要通信社の端末で、現在どのFX会社でも提供しているようなチャートを見ることができたのですが、何となくやめるにやめられず、ずっと手書きでつけ続けていました。しかし、1998年10月にUSDJPYの暴落が始まって、新しい方眼紙をやや下に向かって継ぎ足したのですが、実はこの10月7日の翌日はさらにUSDJPYが暴落して、また下に向かって継ぎ足さなければならない状況に追い込まれました。この年の10月8日は生涯忘れられない10月8日になりましたが、このことはまた後日書くこととして、もう継ぎ足しはちょっとやってられない、と思って、私の長きにわたるUSDJPYの手書きチャートはこの日に終了しました。

ところで私は、FX業者それぞれが提供しているテクニカルチャートを使っておらず、TradingViewという有料の情報サービスを提供している会社のチャートを使用しています。このTradingViewの提供しているチャートでは、ブローカー数社のデータに基づくものを見ることができて、例えばIDC社のUSDJPYの月足チャートでは、1975年まで遡ることができます。1998年のUSDJPYの日足チャートは数社のものを見ることができます。

そして上のチャートがFXCM社がTradingViewに提供しているUSDJPYの1998年に日足チャートになります。まず98年4月3日に135.48の高値をつけて、その7日後の4月10日には127.39まで下げています。かなり強烈な下げで、当時のボラティリティの高さを感じます。そして5月19日には、136.78をつけるのですが、その直後の下落は134.70台と200pipsほどにとどまり、136円台にはあまりこだわることなく、あっさりと140円台へと向かっています。では、136円台というのは、大したレジスタンスではなかったかと言うと、そうでもなさそうです。チャートの右隅のほうですが、ピンク色で囲った部分がありますが、ちょっと拡大してみます。

上昇過程で136円台が大きなレジスタンスとなることはありませんでしたが、147.67の天井をつけた後の下落過程において、136.70近辺は大きなレジスタンスゾーンになっています。9月に130円台まで下落した後、実に1か月間にわたって上は136.70-137.00付近、下は130.50近辺での攻防戦を繰り広げています。そしてピンクに塗りつぶした最後の6日間は、133.30から136.70といった値幅で何度も往復を繰り返しています。そして最後は売り方が勝って、買い方は大退却という結果で幕を閉じました。

では、今回も136.70-137.00あたりは大きなレジスタンスとなり得るのか、と言う疑問ですが、私は何とも言えないと思っています。ただひとつ言えるのは、この136.70近辺の攻防戦を最後として、先週136.70をつけるまでの24年間、一度も136.70を見ることはなかったのです。言い方を換えれば、この136.70-137.00近辺が記録されている最新のレジスタンスゾーンと言うことになります。今回チャートを調べてみたことで、このゾーンが24年前にはかなり意味を持ったレジスタンスだったとわかりましたが、もしこうやって検証することがなければ、おそらく24年前の値動きなどほとんど誰にも記憶はないと思います。ということは、このレジスタンスゾーンは、今のところそれほど強くは意識されていないゾーンなのではないか、とも考えられます。

レジサポや高値安値は、大勢の市場参加者が認識して、利食いやロスカットを置くので、そのポイントで大きく反応することが多いです。ただ、大昔の出来事で、あまり多くの参加者が意識していないのであれば、反応する可能性は低いのではないかと思います。ただ、新聞等やSNSで高値安値が広く告知されれば、それだけ多くの参加者が知ることとなり、意識される可能性はあります。また、私のブログの読者はたいして多くありませんが、誰かがこの掲載したチャートを見て、特に他に参考にするロスカットや利食いのレートがなければ、これらのチャート情報に基づいて注文を置き、そういう人たちが増えて結果的に新しいレジサポゾーンとして効いてくる可能性もあります。

投稿されているチャートの中に、たまにレジサポの水平線をたくさん引いているチャートを見かけますが、たまたま引いたラインに、相場が敏感に反応していることもあります。一方、ちょっとこじづけじゃないか、と思われるラインもあります。今回136.70近辺が高値になっているということ、そして1998年の下落直前に攻防したところと一致している、という見方も、ただのこじつけかも知れません。ただ私が長くこの仕事をしていてたまに思うのですが、ある一定のレートで相場が止まったりすることがあって、以前にもそういった記憶があると、デジャブではありませんが、何か相場にDNAのようなものがあって、市場参加者が変わっても、何か相場が覚えているレートがあるような気がしてなりません。またこういった不思議なことも、相場の持つ魅力なのかも知れません。

今回はここまでにします。お読みいただき、ありがとうございました。GLAFXも引き続きよろしくお願いします。

GLAFX | 創業22年の信頼!株式投資とFXの情報はグローバルリンクアドバイザーズ (gladv.co.jp)