【21年9月16日】FXで勝つとは、いったいどういうこと? (私がデイトレーダーになったわけ) ということについて、今日は書いていきたいと思います。FXの勝ちについて書くのは、本当は勝率について書きたいからなのですが、まずはFXで勝つということから話を展開していきたいと思います。

 実際、FXでトレーダーが勝つというのは、どんな状態を指すことなのでしょうか。その定義は、トレーダーのタイプにもよるのだと思います。 3つに大きく分類するとすれば、そのトレーダーが少し長期的なスインガーと呼ばれるトレーダーなのか、日々の24時間内のトレードを中心とするデイトレーダーなのか、あるいは5分、15分単位の値動きを追って、細かい売買を繰り返して利ザヤを狙うスキャルパーと呼ばれるトレーダーなのかによって、トレードのスタイルと、求める成果にも違いがあると思います。

私はと言えば、基本はデイトレーダーです。私は長く米銀の為替ディーラーでしたが、朝オフィスに来て、ポジションを持って、帰る前に手仕舞いするかまたはロンドン支店にオーダーをまわして、でも結局日付が変わる前に、ロンドン支店かNY本店に電話して、手仕舞いすることが多かったです。日中に手仕舞いせずにポジションを持ち越すと、何が起こるかというとその日の値洗いです。夕方3時半とか4時の実際の為替レートと照合して、まだ未決済のポジションの含み益あるいは含み損を、その日の損益として報告しなければなりません。

私の銀行は投資やトレードがメインとならない、主にリテール業務を中心とした銀行でした。このような銀行の管理部門は、日々の損益にとても敏感です。どの業務でも毎日必ず、少しでも利益をだしていなければならない、と本気で考えている上のほうの人もいます。要は損失にうるさい銀行ということです。私は幸運にも上司に恵まれて、その人はトレードという仕事をよく理解しているアメリカ人でした。その人に守られていたので、多少の損失でガタガタ言われることはなかったのですが、それでもマーケットのリスク管理には気を配っていました。

こういう銀行で長いこと仕事をしていると、トレードは自ずとデイトレードっぽいスタイルになります。例えばですが、日中ドル円のショートを110円で2千万ドル持っていて、うまいこと109円まで下がって、2千万円の利益があがっていたとします。その日の利益2千万円を報告して、でもまだ下がると思って値洗い後もそのポジションを持っていた結果、その後反発にあって、やむなく109円60銭で買い戻したとします。実質利益は8百万円に減りましたが、まだ利益は残っています。トレーダーにとっては、利益が最大2千万円まで達した局面があったけれども、結局8百万円の利益で手仕舞ったということになりますが、管理部門はそうは見ないのです。Day1に2千万円儲かった。よかった。Day2に12百万円の損失をだした。1営業日に1千万を超える損失なので、マーケットリスク管理部門に、理由を報告する必要があります。とまあ実際にはそんな目くじらを立てられることはありませんでしたが、社内がそういう雰囲気だと、どうしても損益がぶれるポジションを数日にわたって持つということをする気がなくなります。

大手銀行のシニアクラスのディーラーには、大きなポジションを持って、ターゲットにくるまで何日も待つ人がいましたが、私のいた銀行のカルチャーではそういうトレードスタイルはなかなか難しかったです。銀行だけでなく、機関投資家やヘッジファンド、商社、輸出入業者といった組織もまた、その性質に合わせた売買手法を持ちます。みなそれぞれの事情で、トレードスタイルは異なります。要は、月ごとあるいは年ごとのターゲットはどこも同じようにあるわけで、その山頂への登山の方法は、組織によって違うということです。

ちょっと説明が長くなりましたが、そういうわけで、私のトレードは主にデイトレードです。またせっかちな性格で、利食いが大好きだし、いつまでも損を抱えているのが嫌で損切りも早かったので、デイトレードがもともと向いていたのだと思います。ただ純粋なデイトレーダーかと言うと、日によってあるいはマーケット状況によって、数日にわたるスイングぽいトレードをしたり、指標やニュースに反応して、スキャルっぽいトレードをしたりすることもあるデイトレーダーでした。

というわけで、デイトレーダーなのです。

デイトレーダーには、何を求められているのか。

デイトレーダーが、FXで勝つとはどういうこと? 

ということを、次回に書くことにします。