【21年9月17日】今日はデイトレーダーにとって、勝ちとは何か? ということについて、書いていきたいと思います。FXに限らず、相場に勝つという状態は利益を得ること。つまり安く買って、高く売ること。その逆に買ったところより、安く売れば損になる、つまり負けになります。何を今さらそんなこと、と思われるかも知れませんが、FXの勝ち方にも色々なパターンがあります。下に5例用意してみました。ちょっと一緒に見ていきましょう。

  1. 自分なりにチャートを検証し、最近の指標も買い材料と考え、サポート付近まで引き付けて買った結果、ほとんどアゲインストにいくことなく、夕方に50pips上で利確。(素晴らしい勝ちです。)
  2. じわじわ買いが湧いてくる値動きから直感的に買ってみた結果、その5分後にニュースが    でて急騰。50pips 上で利確。(勝ちですね。)
  1. 底堅いと思い、またサポートと思われる近辺で買ったが、すぐに動かず。じりじりと、ゆっくり4日間上げ続け、5日目にようやく50pips上で利確。(うーん、まあ勝ちですね。)
  1. 根拠を持って買ってみたものの、悪材料のニュースがでて、一時150pips下落。しかし信念を持って、3日間待ち続けた結果、相場は上昇を始め、4日目に50pips上で利確。(うーん、勝ちなのかな。)
  1. 信念を持って買ったが、そのあたりが一旦の天井となり、一時500pips以上の損失になったが、いつか上がると根性で塩漬け。3か月後、ようやく上昇し、50pips上で利確。( うーん。。。)

いかがでしょうか。上の5パターン、スワップポイントなどを考慮しなければ、すべて数字的には50pipsの勝ちですよね。各パターンに、私の感想(ためいき)も書いてみました。デイトレーダーとしての私の見解ですが、1番目のパターン以外はすべて、ちょっと疑問が残る勝ち方です。

2番目のパターンの勝ちは、経験を積んだプロのトレーダーなら、直感的なトレードで成功するのだろうと考える方もいるかも知れませんが、私は否定的です。確かに直感でトレードするトレーダーはいます。ある意味才能ですが、好調な時は良いのですが、スランプで連敗につぐ連敗ということもあるようです。昔、「麻雀放浪記」という小説を書いた、阿佐田哲也という作家がいましたが、彼が言うには9勝1敗の相手を、1勝9敗にするのは意外と簡単だ、そうです。 倒すのが難しいのは6勝4敗の相手で、とにかくしぶといそうです。私は彼の小説が好きで、私も大勝するトレーダーより6勝4敗のトレーダーを目指していました(とゆーか、そんなもんでした)。この勝敗の機微については、またどこかで書く機会があると思います。先に進みます。

2番のような勝ち方をしたトレーダーは、負けた時のトレードの、負けの検証をするのが難しいです。勝ちも言語化できる理由がないので、勝った時のトレードは、それが単に正しいトレードということで完結してしまい、その逆の結果になった時には、ただ運が悪いということで終わってしまいます。リスク管理の概念を持たない凡人がやれば、破綻するか、少なくとも将来伸びしろの少ないトレーダーになってしまいます。

3番目はマーケットの状況に依ります。全体的に緩慢なマーケットで、他の通貨ペアでも同じような動きだったならば、難しい相場環境の中、最善を尽くしたトレードと言えます。しかし、他の通貨ペアにもっとボラティリティがあった場合、ここは意見が分かれるところだと思いますが、私は収益チャンスの浪費だったと判断します。デイトレーダーで3日も4日も結果がでないトレードは、よその収益チャンスを消失している可能性が高いと考えます。ただし、もっと長いタームでトレードするスインガーは、私とは違う見解を持つかも知れません。

4番も、デイトレーダーの勝ちの定義から逸脱しています。スインガーなら、許容範囲内かも知れませんが、理由がどうであれ、デイトレードの損失が150pipsまで広がったトレードは、結果がプラスに終わったとしても、勝ちのトレードとは言えません。もっと損失が小さなうちに、何か方策を考えねばなりません。相場では一寸先は闇です。損が縮小していくのかなんて、誰にもわかりません。そんな状況下では、一度ポジションをカットして、状況を再確認して、また上昇すると判断してから買いにいくのが、デイトレーダーの基本です。そこへいくと、5番目はもう勝ち負けの範疇の外側です。おそらくスインガーにとってもそうです。勝ったというよりも、塩漬けにしてやっと逃げられたというトレード(トレードなの?)です。相場の塩漬けに関しては、また別の機会にお話ししようと思います。

野球の野村監督が「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言っていましたが、私のメルマガで目指す勝ちは、1番はじめのパターンで紹介した、準備を整えたうえでの勝ちです。「不思議なことに勝ってしまった」のではなく、「根拠があったから勝った」という、必然の勝ちを目指します。

以上の、私が目指す勝ち方を踏まえたうえで、

次回は「収益機会と勝率」、

ということについて書いていきたいと思います。