【22年5月29日】3月から強い上昇を見せていたUSDJPYが、131.35の高値をつけてから126円台まで下落し、現在127円を挟んだ膠着状態になっています。これからUSDJPYはどちらに向かうのか、ということを中心に今日は書いていきます。

USDJPYはこれから上か下、どちらに向かうのか、ということについて、新聞や動画、ブログなどで多くのアナリストが予想を立てています。日米の金利差は今後も拡大傾向、日本は構造的に米ドルを継続して買わなければならない、そろそろUSDJPYは反発するはずで、今はUSD買いの絶好の機会。一方、127円を割り込んだUSDJPYは今後125円台まで下落。米国のインフレ懸念は緩和され、FRBの今後の利上げ姿勢は弱まる。米国景気鈍化で米国の金利は頭打ちで今後は低下傾向。購買力平価、理論値で考えると今の円は安すぎる。日銀総裁出口戦略について言及、金利差があるといってどんどん円安になることはない。などなど、ファンダメンタルズを根拠として、USDJPYの行方についての色々な発言や論評がでてきています。

ファンダメンタルズ、と一言でいいますが、USDJPYの現状をこれで説明する場合、値動きによって色々な見方をされたり、取り上げられる材料が変わってくるのは、こうして表面にでてくる主張の強弱でわかります。これまでの上昇局面では、日米金利差の拡大や、日本の貿易赤字でのUSD需要の増加、日本の経済力の衰退など、上昇に合わせて誰もがわかりやすい「ファンダメンタルズ」が支えになっていました。ただ下落を始めると今度は、金利差だけで為替レートは決まらない、とかこれまでの上昇理由とは相反したファンダメンタルズがいくらでもでてきます。結局のところ、FXにおいてのファンダメンタルズは、結果の後追いの部分も大きいのです。

USDJPYが今後上昇していくとするアナリストが正しいのか、下落していくとする人が正しいのか。結論から言うと、現時点で誰にもわかりません。タイムスパンによっては、両方正解の場合もあります。アナリストはわからない、と言うことは職業放棄で、コメントを求められれば、しなければならない職業です。はずれても、恥をかくかちょっと苦情を言われるぐらいですが、予想が的中すると名声や仕事も増加すると思われるので、的中するにこしたことはないと思います。

私もGLAFXで、FXの毎日の予想を立てて、会員のみなさんから毎月お金をもらっていますが、私はアナリストと言うよりも専業FXトレーダーです。だからと言って、GLAFXをないがしろにしていい加減な予測をだしているわけではありません。トレーダーの狙うトレードという持ち味を理解してくれている方が、今の私の会員様たちです。

前置きが長くなりましたが、何が言いたいのかと言うと、アナリストは上がるのか下がるのかを予想するのが仕事ですが、トレーダーは方向を当てるのではなく探るのが仕事です。いつも言っていますが、相場が上がるのか下がるのかは、実際にそこに入ってトレードしてみなければわからないのです。では今のUSDJPYをどうしたらいいか、というと、現状どういった状況にあるかを把握して、ありそうなシナリオを前もっていくつか作って準備していくことが大事だと思います。この現状認識と今後のシナリオについて、これからチャートをもとに説明します。

日足はみなさんもよく見ていてご存じと思いますが、上のような形になります。200日移動平均線からだいぶ乖離しています。一方短期の9日線より実勢レートは下です。上昇が始まった3月7日を基点にすると、今回の下落はまだ半値戻しや38.2%戻しからもほど遠く、本格的な下落とは言えない状況です。また一目の雲は割合近くに迫ってきました。では、現況をもっと詳しく知るために、4時間足を見てみます。

 

上の4時間足を張り付けて思ったのですが、現状のUSDJPYはこのチャートひとつだけですべてを説明することができます。まず緑色の斜めの線が示す通り、USDJPYは今、131.35を高値としたダウンチャネル内にいます。青い水平線は上昇していく過程で作られた、4時間足ベースでの押し安値になります。131.30近辺でダブルトップのような形になっていますが、右側のトップが左側の高値を実勢では抜いていないということで、青い破線の水平線を押し安値とするトレーダーもいたようです。いずれにせよ、両方破られたので、4時間足では現在、明らかに以前の上昇トレンドは終了して、下落チャネルの中にいることになります。

青い実線は128.60近辺、破線は127.00なのですが、今考えるとどちらもそれほど大きくマーケットが反応したレベルとは言えません。127円は下抜けした火曜日こそ大きく反応しましたが、あとはそのあたりでぐちゃぐちゃした動きになっています。むしろ126.36の安値をつけた後の戻りのピンク色の帯状に示したところが、現状大きなレジスタンスゾーンになっているように思います。しかし右肩上がりの緑色のラインが示す通り、安値も切り上がってきています。持ち合い状態がだんだん収縮しているように見えます。ピンク色の帯は127.50-60近辺ですが、今回の4時間足の下落では、戻り高値は赤い矢印で示した128.30近辺になります。なので、127.50-60が上抜けても、すぐにこの下降トレンドが終了することにはなりません。

ということで、私のトレーダーとしての結論を言います。現状下落トレンドなので、127.50-60をバックにUSDJPYはショート。127円割れを丁寧に拾いながら、ポジション本体は安値更新に向けてショートキープ。安値更新がならず、127.50-60を上抜けするなら一旦ロスカット。そのまま上昇するのであれば、128.30まで何もしないで監視する。128.30上抜け失敗もしくは上値が重いと判断したならば、再度128.30をバックにUSDJPYショート。上抜けした場合は、ショートを完全撤退して、目線をUSDJPYロングに切り替えて、押し目買いを狙っていく。

優柔不断な作戦に見えるかも知れませんが、相場の値動きなど所詮誰にもわかりません。わからないものだと悟って、方向を当てにいくのでなく、どちらに動いても良いように準備しておくことが、トレーダーにとって一番必要なことだと私は思っています。

今後もこういった現状の認識とシナリオ作成について、GLAFXの会員のみなさまの利益を損なわない程度で、色々な通貨ペアでブログをあげていきたいと思います。ブログ以外で、毎日の配信を読んでやろう、とお考えいただける方は、GLAFXの会員登録をしていただけるよう、よろしくお願いいたします。

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