【22年6月8日】先週からUSDJPYとクロス円の高値更新が続いています。GLAFXでは売買ゾーンを設定して、そのゾーンを基にトレードを展開していく手法なので、飛び乗りのトレードはしません。基本的には押し目や戻りを待ってエントリーしていくことになります。しかし、相場では例えば今回のUSDJPYのように、押し目をあまり作らず、ひたすら上昇してしまう、という展開もあります。こういう時は、下位足のチャートの値動きを根拠に勇気をだして飛び乗った者勝ち、というトレードもあります。その場合、トレード手法のひとつとして、逆指値で買いや売りのエントリーを行うトレードがあります。今日はGLAFXの手法とは離れて、こうしたトレード方法について書いてみたいと思います。

まず、表題の逆指値で新高値と新安値をトレードする、という意味がよくわからない方もおられると思います。これは通常ロスカットで使う、逆指値を用いてエントリーしていく方法です。例えば、これを書いている時点での、最近のUSDJPYの高値は昨日つけた133.00なのですが、自分がこれからUSDJPYが上がっていく、という考えを持っていて、しかしまだUSDJPYのロングを持っていない場合、すぐ成行で買ったり、押し目に指値するという方法もあるのですが、133.00を突破した時に買うという方法もあるのです。

なぜ安いところを買わず、USDJPYがさらに上昇して133.00を突破した高値を買うのか、という疑問が生じると思いますが、これには理由があるのです。例えば直近のUSDJPYの値動きを分析したトレーダーが、こんな推測をしたらどうでしょか、「133.00には大きな売り玉があるらしく、市場はこれを買っていくことに慎重になっている。ということは、ここを壁にしてUSDJPYをショートしているトレードもいるはずだ。こうしたトレーダーや、買いを躊躇しているトレーダーは、133.00を超えたら諦めてUSDJPYを買うに違いない。そうなると133.00を超えたUSDJPYはさらに上昇するはずだ。」

上のような推測をしたトレーダーにとっては、現状の例えば132.80近辺のUSDJPYを買っていくより、133.00を超えたところで買ったほうが安全と判断するのです。各FX業者は、こうしたトレーダーのニーズに応えるために、通常の指値に加えて、逆指値というエントリー方法を提供します。例えばIF-OCOを用いて、こんなオーダーを入れることができます。「BUY逆指値@133.05、SELL OCO@133.50or@132.80」これはもし133.00を突破して133.05がついたら買う。そしてさらに上昇して133.50がつけば利益確定。上がらずに再び下落して132.80がついたらロスカット、という意味です。

USDJPYについて言えば、最近この手法を使ってトレードする機会が、日足ベースで2回ありました。ひとつは、5月24日にUSDJPYが127.00を下抜けして下落した時です。

上のチャートは日足。テクニカル分析上でも重要な押し安値となった126.95-127.00が、4月27日以来、市場が強く意識したサポートレベルだったことがわかります。そして下が、126.95近辺突破時に30分足チャートになります。

ご存じのように、下落したその晩にUSDJPYは126.36の安値をつけたのですが、その後何度か下押ししたにもかかわらず、以来126.36の安値を下回ることはできず、結局USDJPYは再び131円台を目指して上昇していきました。しかし、5月24日のこの場面は、投機筋が売り崩しを狙っていく典型的な相場です。私もこの日は、NYが狙うのではないかと、待ち構えていました。逆指値で一部126.94を売り、戻りがないことを確認して、126.85近辺を追撃売りしました。

もうひとつ、今週月曜日にあった事例をご紹介します。まだみなさんの記憶にも新しいと思いますが、USDJPYが4週間ぶりに131円台に乗せ、131.35の高値を突破した時です。日足はこんな感じになります。

まだ日が浅いので、5分足で遡れました。こんな感じになります。

この場合でも例えば131.36に逆指値を入れてエントリーしていれば、とても効率の良いトレードでした。押し目も131.26までで、ロスカットを20pipsにしていても、大丈夫なトレードでした。しかし、私はこの日疲れていて、23時のツイートが終わると早々に寝てしまって、逆指値のエントリーオーダーも入れていませんし、この高値更新を目撃することもありませんでした。私はこの逆指値エントリーをたまにすることがあるのですが、原則として自分が目の前で見ている時に起こった時にしかやらないことにしています。なぜかと言うと、このエントリーはダマシも多く、目の前でしっかり上抜けあるいは下抜けが確認できなければ、やらないほうがいいと思っているからです。またトレード内容も、どちらかというと、スキャル気味になることが多く、ロスカットを15~20pipsぐらいにして、ロットは少し大きめにします。そしてあまり大きく値幅はとろうとせず、パラパラと利食いをしていくことが多いです。

このエントリーでもうひとつ注意していることは、例えば133.00を上抜けした時に逆指値で買う場合、あまり133.00から離れたところにオーダーを置かないことにしています。なぜかと言うと、そのエントリーレベルを、マーケットが意識していればするほど鋭く反応し、レートが跳ねてしまい、結果として逆指値したレートよりかなり離れて約定することが多いからです。これでは戦略的に合っていたとしても、投資効率としては悪くなってしまいます。

ここまで書いたところで、USDJPYが133.00を上抜けてきました。ちなみに私は今回133.00で逆指値はしていません(笑)。もういくつか事例を出そうと思いましたが、ちょっと相場が忙しくなりそうなので、最近の記憶の中で、USDJPYで失敗した例をひとつだけ挙げておきたいと思います。

上の日足チャートは、2020年11月5日、スーパーチューズデー直後、トランプ氏とバイデン氏の大統領選争いで、バイデン氏有利と伝えられた時のものです。ちなみにその2日後に大きな陽線がでていますが、これはファイザー製コロナウィルスワクチンの承認が近い、というニュースが流れたためです。まだこの頃はワクチンが出回ってなかったのですね。そして、この時市場が意識していたサポートは104.00でした。下のチャートはこの時の1時間足になります。

青い矢印をふたつつけましたが、私の失敗の目印です。この日私はUSDJPYは特に何もしていませんでしたが、バイデン氏有利のニュースを聞いて、USDJPYが下落するなら104.00を割れたら売っていこうと思いました。そして103.97に逆指値の売りを置いて、104.27にそのロスカットを置きました。これがまず失敗その1です。そうこうしているうちに、風呂が沸いたので入浴することにしました。ほんの20分ぐらいのつもりだったので、オーダーをそのままにしてしまいました。これが第2の失敗です。風呂から上がって相場をチェックすると、すでに逆指値の売りオーダーが103.95で約定され、それが104.28で約定されていました。やはり、この手のオーダーは、見ている時しかやってはならず、またオーダーの位置も良くわりませんでした。みんなが狙っているところなら、売りオーダーは104.00はおろか、104.001ぐらいでもいいのです。これだと104.00では必ず約定され、ここで止まるということはまずありません。そしてロスカットが遠すぎました。結局今度は見ているところで売り直し、損失を取り戻すことはできたのですが、やはり目の前で見ながら柔軟に対応していかないと難しい手法だと思います。

ところで今日のUSDJPYですが、先ほど133.21まで上昇し、その後132.89まで下落。現在は133.10近辺です。ひとつ言えることは、133.00の高値を更新して、若干の反応はありましたが、市場はそれで即座にUSDJPYを買っていかなければならないほどの差し迫った状況とは、考えていなかったと思われます。この手法を取り入れるについては、マーケットが意識しているレートか、そしてこのレートを超えたらマーケットは反応していくのか、ということを絶えず考えなければなりません。ここを上抜けあるいは下抜けすれば、そちらに動く可能性が高い、という根拠が持てるのであれば、今日ご紹介した日足だけではなく、1時間足や15分足レベルでもこの逆指値トレードを適応することはできます。ただし、チャートが下位足になればなるほど、マーケットの反応は鈍くなる傾向があります。下位足では、そのレートに関心をもつトレーダーが少なくなるからだと思います。逆指値によるエントリーは、リスクと背中合わせですが、時と場合によっては大きく反応するので、一応頭に入れておいてよい手法だと考えています。

逆指値の売買は、結局のところ、高いところをさらに突っ込んで買っていくことができるか、安いところをさらに突っ込んで売っていくことができるか、の度胸だめしのトレードかも知れません。トレーダーにはふたつのタイプがあって、レンジ内で器用に売り買いしようとする人と、レンジは破られるものと考えて、絶えず突撃するチャンスを狙っていく人とがいるらしいです。1980年代から2000年頃までの銀行ディーラーは、突っ込んでいくディーラーが多かったように思います。私もどちらかというとそのタイプだと思いますが、現在の洗練された市場では、単純な突撃トレードは、もう通用しないと考えています。

トレードテクニックとしても、ロールリバーサルと言われるレジサポ転換を辛抱強く待つことができるトレーダーが増えてきました。私はGLAFXを始めて、リスクリワードを高めるために、レートを十分引きつけるようになりましたが、配信の性質上、レジサポ転換を確認するところまではせず、そこは長年の経験と勘に任せて判断しています。転換のサインを確認してからでは遅すぎて売買ゾーンの設定ができなくなるからですが、GLAFXで良い配信をするために、これからますますその精度をあげていかなければならないと思っています。これからもよろしくお願いします。

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