【22年9月8日】GLAFXは来週13日で、最初の本番配信からちょうど1年を迎えます。昨年8月にGLA社と企画発案し、構成や内容を検討したうえで、1か月ほどテスト配信をして試行錯誤を繰り返しながら、本番配信にこぎつけました。今日はこの1年を振り返って、考えたことやこれからのことについて書いてみたいと思います。

GLAFX発足当初、FXについて有料でメールを配信するということで、どういったものにするか、まずよく考えてみました。対象とする読者は、初心者から上級者まで、FXを日常的にトレードしている人たちです。私は市場関係者以外の個人トレーダーには、まったくそれまで存在が知られていなかったので、GLA社が会員向けに宣伝を打つにしても、メール配信の内容に、それなりのセールスポイントが必要でした。まず配信のメインとして考えたことは、毎日具体的なトレードの作戦を配信すること。そしてそのトレードの勝敗結果が、白黒はっきりとすぐに明らかにされるということでした。これによって、メールの質の良し悪しがすぐに理解され、内容が良ければ購読してくれる人はいるだろうと考えました。まずはざっくりこのことだけを考えて、あとは走りながら修正していこうと思いました。

GLAFXは、市場の「すぐ目の前の売買チャンス」を毎日紹介して、その結果を翌朝検証する、というスタイルをとっています。主要通貨ペアの売買ゾーンを決めて、夕方から23時までのロンドン市場でエントリーして利食いまで完結させるのが理想です。ロスカットはエントリー地点からおよそ30pipsで、利食い目標は50pipsあるいは読者の裁量次第としています。

それほど簡単ではない推奨トレードを、GLAFXでは毎日配信しようとしていたので、勝率については、私のこれまでの生涯勝率から換算して、控えめに6割あるいは6割強と、うたっていました。勝率やリスクリワードについては、トレードの優位性を考えるうえで、厳密に計算したりデータの統計をとったりする人もいます。私も当初、配信に責任を持つために、勝率とリスクリワードについては慎重に考えたのですが、この勝率とRRはトレーダー各自が、自身の経験や検証によって独善的あるいは主観的に決めるもので、過去の結果からそれらを計算して実績として算出することはできても、これからしようとするトレードの勝率とRRは、そのトレードをしようとするトレーダーにしかわからないのです。

また、勝率やRRにこだわりすぎると、トレードを決定するチャートの時間足を上位足に限定していかなければならず、そうすると極端にエントリーチャンスが減ってしまいます。トレードは勝敗も大事ですが、それ以上に何より、読者と私が面白いと思うトレードをすることが大事です。トレードして勝つか負けるかは結局やってみなければ誰にもわかりません。面白いと思うトレードについて、そのトレードを考えるに至った過程を突き詰めて、シナリオを具体化していくことが、毎日の大事な作業になります。ということで、配信開始当初の思惑をともかくとして、ロンドン市場に絞ったトレードを前もって配信するということで、1時間足と4時間足をメインに、私が勝率6割以上と考えて狙える入り場を、できるだけたくさん見つけてエントリーしていこうと今は考えています。

昨年9月中旬スタートの配信は、幸運にも恵まれました。まず、市場環境が良かったせいか、アジアで静かだったマーケットが、ロンドン時間に動きだし、16時に配信したエントリーが利確で終了できることがスタートから何度もありました。スタートから2か月で勝率が8割以上に達することもあって、かえって「ほんまかいな」と自分で心配することもありました。GLA社も無料キャンペーンや、GLAXの配信の様子や結果を動画をアップしたりしてサポートしてくれました。自分でもプレゼント企画のレター配信などもしましたが、やはりスタート時のトレード成績が良かったことが宣伝となり、最初の3か月は会員数が増え続け、自分でもびっくりしてしまいました。

スタート時の好調と、会員数の増加に、自分でも舞い上がってしまったところがあったと思います。自分の人生でも、有料メール配信は初めての経験だったので、それも仕方なかったと思います。毎年12月は、市場が薄くなり変則的な動きも多いので、私は例年トレードをあまり積極的にしないのですが、その勢いでエントリー配信を続けて勝率を下げることになりました。エントリーできなきゃつまらない。かと言って、ロスカットに繋がるエントリーは迷惑がかかる。このジレンマが最初に訪れました。その間、配信内容や売買ルールに色々と修正を加えましたが、結局勝率は落ち着くところに落ち着きました。つまり、当初考えていた勝率6割が定着したのです。

勝率6割は自分としては当然の結果で、またそのように公言していたので、あまり気にならなかったのですが、年を越えると会員数の増加はピークを打って、下落に転じていきました。また、なぜそのようなトレードになるのかという、負けトレードに対する批判を含んだ質問や、ツイッターで最悪とツイートされたりすることも経験しました。また勝率やリスクリワードを細かく分析して、成績の低下を具体的に教えてくれる方もいました。これまでの経験上、世の中には色々な人がいることも、結果がすべてで、悪い結果がでればそれに敏感に反応する読者もいるだろうと、頭では理解していましたが、実際にそれらに直面すると動揺し、一時的に負けることや配信そのものが怖くなったこともありました。

それらのちょっと気が重いことがあったとしても、私には私にできることしかできない、という考えはいつもありました。そして、メールで配信したいことは、今日勝つチャンスがあるトレードを伝えることだけではない、とも思いました。大事なお金を払って購読しているメールの、成績不振を見て、購読をやめる人、非難する人がいるのは仕方がありません。そんな時、私はこう考えることにしました。「私が読者に対して不足していることは儲かるトレードを供給する能力ではない、不足しているのは、『根拠あるトレードを行えばトータルで勝てる』という私の信条を納得させる能力だ」ということです。この信条が腑に落ちていれば、ロスカットや連敗も気にならず、淡々と次のトレードに向かうことができるのです。しかし、多くの経験のないトレーダーは、目先の結果に左右されてしまいます。現在私のGLAFXを継続して購読してくれている読者は、技術面ではともかくとして、意識の面では目先の結果に囚われるトレーダーを超えている方たちだと思います。そういった読者のためにも、一歩前に進んだ配信をしていかなければならないと思いました。

配信開始から1年が経過して、現在の会員数はピーク時から大分減りました。成績6割をもの足りなく感じたり、配信内容に飽きたのか、その他色々な理由があって脱会されていると思います。しかしその一方で、エントリーができない日が多くなったり、損失が続いたりしても、ここ最近は会員数が減らなくなりました。エントリーができそうになくても、市場の方向性や私が注目している事象について書くように努めているので、それが評価されているのかも知れませんが、私のトレードスタイルや考えなどを理解してくれて、そのうえでご自身のトレードに合わせている方に、読者が限定されてきているのでは、と考えています。

私に定期的にメールやツイッターで連絡してくれる読者の方もおられて、それほど多くない読者の方たちの全体像を、だんだんと理解できるようになりました。本当に相場を始めたばかりで、売り買いもよくわからない方は、やはり私の売買ゾーンとルールをもとにして、ペン習字の手本のようになぞってトレードしていただくしかありませんが、中級の方は売買ゾーンや私の相場観をもとに、さらに一歩踏み込んで自分に最適なトレードスタイルを確立していってほしいと思います。また上級者の方には、ご自身のトレードスタンスを確認したり、スイングトレードの際のポジション点検材料として使っていただければと考えています。

1年前は、USDJPYがもう何年もの間不活発な相場が続いていて、そういったボラティリティの低い相場に対処するために、ロンドン市場を中心としたトレードを紹介しようとGLAFXを立ち上げました。しかし、ご存じのようにUSDJPYを中心とした相場環境は今年3月から一変しました。USDJPYのボラティリティは急速に上昇し、大相場が続いています。何よりも大きい変化は、これまで動かない脇役だった東京市場が、USDJPYやクロス円でロンドン市場をはるかにしのぐ動きを見せることが多くなったことです。そんな中、GLAFXはロンドン市場を中心としたトレードをこれからも貫いていこうと思います。私の読者の方には、日中本職の仕事をして、夕方から夜に向けてしか相場を張れない人が多いです。その人たちのためにも、ロンドンに主眼を置いた配信をしていきます。ただ、配信内容はアジア時間にも十分気を配るように心がけているので、売買ゾーンの設定はありませんが、アジア時間にもトレードできる方には、ぜひ参考にして使っていただきたいと思っています。

ということで、これからも私を理解していただいている読者の方たちが、有益で楽しくトレードができるような配信を心がけていきたいと思います。これまでのご支援に感謝します。そしてこれからもよろしくお願いいたします。

9月18日のブログはお休みさせていただき、次回は9月28日に更新します。