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サンプルレポート 日本株しっかりサポートナビ

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グローバルリンクアドバイザーズ株式会社

日本株しっかりサポートナビ vol.207

荒川化学工業(4968)

株価指標は割安、事業基盤拡大に伴う利益成長が期待される

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※以下の市場平均予想とは、予想を出している証券会社の予想の平均です。リコメンド、ターゲットプライス(1年後目標株価)も平均値となりますので(本通信の評価ではありません)あくまでも参考までということでご覧いただければと思います。

▽荒川化学工業(4968)
市場平均予想(単位:百万円)
         売上 純利益 EPS  PER 配当 利回り
15年3月(実績)81,742 2,224 109.9 11.8 28.0  2.15%
16年3月(実績)79,119 2,311 113.1 11.5 30.0  2.31%
17年3月(予想)81,000 2,550 124.2 10.5 32.0 2.46%
18年3月(予想)82,000 2,650 129.1 10.1 32.0 2.46%
現株価 1,300円で計算 タ-ゲットプライス 特になし
リコメンド 特になし(BUY-ADD-HOLD-REDUCE-SELLの5段階評価)

□荒川化学工業 (4968)の株価推移
http://mailsrc.gladv.co.jp/tnr/data/20161009_3.jpg

●ポイント
ロジンとう松やにを精製した樹脂を応用した中間化学メーカーで、ロジン業界では最大手です。中国から輸入されるロジンの5割を取扱い、国内シェアトップ製品を複数有しています。また、安全な粘着剤として注目される水素化石油樹脂「アルコン」では世界シェア10%を握り世界第3位に位置しています。国内市場が縮小傾向にあるため成長続く中国を中心に東南アジアなどグローバル展開を進めており、2021/3期には海外比率45%(16/3期35.9%)を目指します。

M&Aを含む事業拡大にも積極的でロジン以外での事業基盤を強化しています。財務内容は良好で、株価指標も割安。配当利回りも好ましい水準です。

・松脂化学(パインケミカル)の国内最大手
・松脂を精製してつくるロジン、非石化資材として注目
・日本のロジン輸入量の5割を取り扱っている
・国内トップシェア製品を複数有している
・水素化石油樹脂で世界シェア10%
・世界的紙おむつ需要拡大でアルコンの売上好調
・M&Aや事業提携で既存事業との相乗効果図り基盤を強化・拡大
・国内市場は縮小傾向も中国や新興国は成長
・グローバル化進め、2021/3期に45%を目指す
・事業改善進み、成長市場での需要取り込みの確度が高い
・財務基盤良好

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<目次>
(1)複数製品で国内トップシェアを誇る、パインケミカル業界の国内最大手
(2)パインケミカル市場の動向
~国内市場は縮小、成長の中国開拓と新製品開発で成長を維持したい~
(3)粘接着材、中国・東南アジア好調
~業績上振れへの期待~
(4)戦略的事業提携、M&Aで事業基盤拡大・強化に取り組む
(5)総合評価 :株価指標は割安、事業基盤拡大に伴う利益成長が期待される
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(1)複数製品で国内トップシェアを誇る、パインケミカル(松脂化学)業界の国内最大手

同社は天然樹脂ロジンを主原料とする中間素材メーカーで、製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、電子材料の中間素材などを提供しています。

創業明治9年からおよそ140年に渡り、「松やに」を精製して作られる「ロジン」から工業用の中間素材を開発・製造してきました。パインケミカルのパイオニア的存在で、製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂など複数の製品で国内トップシェアを誇ります。

~ロジンとは~
ロジンは身の回りの様々なものに使われていて、例えば段ボールやガムテープ、電子部品のハンダ付けのハンダ、スマホ画面の保護材、それからチューインガムなどなどその用途は様々な領域にわたります。中間素材のため同社製品自体が目立つことはありませんが、ニッチ市場なので市場はほぼ寡占状態になっています。

国内で消費されるロジンはその7割が、世界最大のロジン生産国中国から輸入しています。同社は中国から輸入されるロジンの約5割を取り扱っており、国内ロジン業界のトップ企業です。

中でも同社は有力メーカーを取引先としてメインサプライヤーのポジションを確立していると言えます。例えば、製紙用薬品事業では売上高の過半が王子ホールディングス向けで構成されています。

~水素化石油樹脂で世界10%シェア~
また同社は水素化石油樹脂「アルコン」の製造技術を持っており、1970年から岡山県の水島工場で製造を開始しました。
アルコンは、同社独自の技術を用いて開発された樹脂です。水素化されることで石油樹脂の臭気や安定性が改良され、加熱安定性耐候性を特徴とし、世界各国で様々な用途に使用されています。

2010年ダウとの合弁会社だった荒川ヨーロッパを完全子会社化したことで水素化石油樹脂事業は拡大。現在、水島工場とドイツの荒川ヨーロッパで合計年間3万5000トンを生産しています。この年産量は世界シェアの1割を占め、世界第3位のポジションを築いています。アルコンは、紙おむつ用接着剤、カップめんなどの容器用蓋シール、食品ラップ添加剤に使用されています。

売上構成比は、製紙薬品25%、化成品58%、電子材料17%で、海外比率が36%となっています(16/3期)
(なお、同社は17/3期よりセグメント組替を実施。新セグメントは化成品がコーティングと粘接着および機能性材料に、電子材料がコーティングと機能性材料に振り分けられ、製紙薬品事業、コーティング事業、粘接着事業、機能性材料事業の4セグメントとなりました。)

(2)パインケミカル市場の動向
~国内市場は縮小、成長の中国開拓と新製品開発で成長を維持したい~

最近では石油を原料とする化学材料に代わり、生物に由来する天然材料が見直されてきており、ロジンはその特性を応用して様々な領域で利用され、非石化資源としての地位を築いていると言えます。

しかしながら、パインケミカルの国内需要は縮小傾向にあるというのが実際のところです。

<1>国内ロジン消費の7割が中国からの輸入:

2015年のロジンの世界生産量は約116万4000トンとなり、その内約42%が中国による生産となっています。国内では第二次世界大戦後から国内生産が縮小していき、現在ではハリマ化成が唯一生産しています。ただ年産量は2万トンとのことで、57万トンを生産する中国の足元にも及ばぬ水準です。

一方2015年におけるロジンの国内消費量は7万4500トンでした。つまり日本は消費するロジンの大半を輸入(中国)に依存しているということになります。

主原材料であるロジンの輸入価格が上昇すればスプレッドが縮小して儲けが少なくなるので、ロジンの輸入価格が論点となります。

~輸入価格、為替に影響を受ける~
ロジンの輸入価格は、2008年では100円/KG程度で推移していたのですが、2015年は250円/KG程度にまで価格が上昇しました。これは、生産量が減少するとの観測が価格上昇の要因となったようです。この他ロジンは資源であるゆえ投機筋の売買の影響を受けやすく、ドル建て取引されるので為替変動にも影響を受けることになります。

<2>国内パインケミカル市場は縮小傾向

また、国内ロジン消費量(7万4500トン)の内訳を見ると、紙のにじみ止めが 2万1500トン(28.9%)、印刷インキが 2万2800トン(30.6%)、合成ゴム が1万4300トン(19.2%)、接着剤 が1万1800トン(15.8%)、塗料 が2100千トン(2.8%)、はんだその他 2000トン(2.7%)となっています。

そこでロジン消費が向かう製紙、インキ需要に目を向けてみます。国内では、新聞・雑誌、書籍、折り込み広告などの発行部数や頁数の減少、デジタル化などを背景に、紙の生産量は減少傾向にあります。こういった国内環境を考慮すると、今後も印刷用紙や印刷用インキなどの国内需要が増加傾向に転じるのは難しいと思います。

国内の製紙大手各社は設備や拠点の統廃合による生産能力の適正化・合理化に取り組んでいる。段ボール紙も需要は底堅いものの、大きな伸びは見込めないでしょう。(ただ、東日本大震災の際は、石油を使っていない支援物資(避難所でのベッドやパーティション)として需要が大きく伸びました。)

同じく出版物の減少・デジタル化を背景に印刷用インキも伸び悩んでおり、今後も需要の大きな拡大は見込めないかと思います。

このように国内市場が伸び悩む中、メーカー各社は新製品の開発に注力し、加えて成長市場の中国や新興国での拡販に取り組んでいます。製紙で言えば中国は日本の4倍、1億トンを突破しているという世界最大の紙生産国ですから需要も4倍に急拡大するのです。

(3)粘接着材、中国・東南アジア好調
~業績上振れへの期待~

上期計画の20億円に対する進捗率は営業利益で76.4%、経常利益で68.1%に達しており、業績上振れの期待が広がっています。

特に機能性材料や紙おむつむけ接着剤樹脂の好調な販売が牽引しました。また印刷インキ用樹脂も中国や東南アジア等で包装用の需要が拡大しており、中国、アジア圏での拡販が業績拡大へのカギとなっているようです。

利益面では、中国における需要低迷や円高の影響もありましたが、原材料高の販売価格転嫁が浸透し採算性が大幅に改善、また継続的な経費削減策も効いて大幅増益に結び付きました。

【2017年3月期第1四半期の業績】
売上高が前年同期比1.7%減の190億円、営業利益が92.5%増の14億1400万円、経常利益が73.0%増の13億6100万円、純利益が88.7%増の9億3700万円、一株当たり利益(EPS)が45.66円(前年同期は24.48円)となりました。

【事業別の業績】
(百万円) 売上高(前年同期比)事業利益
製紙薬品   4,418(▼10.5%)  343(+27.5%)
コーティング 4,669(▼ 9.1%)  246(+81.1%)
粘接着    6,719(▼ 1.1%)  661(+80.1%)
機能性材料  3,170(+30.7%)  116(前年同期は7400万円の赤字)

機能性ファインケミカル製品や精密部品洗浄剤が回復傾向にあることに加え、精密研磨剤が寄与した。また粘接着は、世界的な紙おむつ需要の拡大を背景に好調に推移していることに加え、水素化石油樹脂の販売が好調で、アジア地域が特に順調とのこと。

【2017年3月期通期業績予想】
売上高が前年比1.1%減の800億円、営業利益が4.43%増の38億円、経常利益が5.2%増の40億5000万円、純利益が3.8%増の24億円、EPSが116.93円の見通しで、配当金は前年と同じ32.0円とする方針です。

(4)戦略的事業提携、M&Aで事業基盤拡大・強化に取り組む

【第4次中期5ヵ年経営計画(2016/3期~2021/3期)】
数値目標としては、売上高1,000億円、経常利益60億円を掲げ、海外売上高450億円、海外売上高比率45%の達成へ向けグローバル化を進める、としています。

    16/3期(実)19/3期 21/3期(16/3期比)
売上高  791億円  880億円 1,000億円(+26.4%)
営業利益  36億円  46億円  58億円(+61.1%)
経常利益  38億円  48億円  60億円(+57.8%)
純利益   23億円  29億円  37億円(+60.8%)

5年間で想定される投資金額はM&A枠50億円を含め計約300億円を予定しています。

~最近の事業提携やM&A~
<1>オムツ特需を背景に高まる安全粘着剤需要を取り込む

同社は水素化石油樹脂「アルコン」を年間3万5000トンを生産する世界第3位企業です。「アルコン」は紙おむつ用接着剤、カップめんなどの容器用蓋シール、食品ラップ添加剤などに使用されており、特に世界的な紙おむつ需要の拡大を背景に紙おむつ向けが好調です。

今年5月にはコスモエネルギーホールディングス(CEH)と、丸善石油化学、同社の3社で 水素化石油樹脂の一貫生産体制での共同事業化検討を進め、共同で事業化可能性調査を開始すると発表。3社は合弁会社を設立し、年間生産能力約2万トンの設備を2019年に稼働させる計画です。

<2>コーティング事業拡充

また、8月にはJSRから液晶パネルの反射防止などに使う機能性コーティング材の事業を10月1日付で買収すると発表。来期からはこれが業績に寄与(JSRの液晶事業売上は約10億円)することになります。
同社は既に液晶パネルの静電気や傷防止コーティング材を手掛けており相乗効果が期待されます。

(5)総合評価:
株価指標は割安、事業基盤拡大に伴う利益成長が期待される
総合評価:☆☆☆☆

高止まり状態のロジンの輸入価格の動向だけが気になるところですが、継続している不採算製品の見直しや国内生産拠点の統廃合などコスト削減の取り組みが顕在化し、増益幅の拡大が実現されています。

来期からは買収したコーティング事業の業績寄与も拡大する新興国市場、オムツ市場での需要取り込みが期待されるかと思います。

財務内容は、自己資本比率 58.1%、有利子負債155億7900万円、DEレシオは0.33倍と財務内容は健全です。株価指標は、PERが10倍程度、PBRが0.6倍程度、利回りは2.4%と割安です。

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今回の配信は以上です。

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2016年10月9日(日)
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